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週刊こぐま通信
「小・中・高 現場教師が語る幼児教育の大切さ」

vol.76「国語のために親ができること」

2012年1月20日(金)
学習塾 プラウダス講師 石原弘喜
 保護者の方から、国語の効果的な学習について質問を受けることがあります。たいていはテキストや教材について関心があるようです。しかし、低学年については、テキストや教材をそれほど気にする必要はないでしょう。子どもの習熟度に合ったもので、抵抗なく取り組めるものであれば、どれでも構いません。

低学年の国語力についていえば、テキストの問題をただ解かせても、それほど国語力は向上しません。問題慣れはするのですが、答えを探すことが目的となってしまうので、年齢と共に脆弱な部分が露呈します。

私が国語の授業で最も大切にするのは音読です。生徒ひとりひとりに均等な分量になるように当ててじっくり読ませます。そこで読み間違いがあっても、生徒が読み終えるまで流します。読み終えた後で、読み方の間違いを指摘します。

音読に重点を置く理由は三つあります。ひとつは、声を出して耳を使うことで、語学を習得する手順をなぞるためです。もうひとつは、文脈の予測ができているかどうかを確認する点にあります。また、国語が苦手な子どもが国語を好きになるきっかけが音読にある場合が多いからです。

国語が苦手な子どもは音読を苦手としています。それは、文脈の先読みができないために、活字を目で追うスピードが発音を追い越してしまうからです。それが音読の場合につまずきとなって表れます。しかし、漢字の読み方がわからない場合のつまずきと、文脈の先読みができない場合のつまずきは異なるので、その点は見極める必要があります。

まず子どもと一緒に音読します。次に、子どもに読ませます。最後に、もう一度子どもに読ませます。大切なのは、上手に読めたら必ず誉めることです。間違った読み方をしても、「こんなのも読めないの?」という言い方はしないでください。例え保護者の方が思ったほど流暢に読むことができなくても、繰り返し特訓させることも禁物です。

親子のコミュニケーションを上手にとりながら、毎日少しずつ積み重ねていくことが大切です。この音読と漢字の練習だけで、低学年の国語の学習は十分です。子どもが特に活字への関心を示すのであれば、興味を持つような本を買い与えたり、図書館に連れて行くのもいいかもしれません。

毎日の音読は手がかかって大変ですが、是非挑戦してみてください。費用もかかりませんし、何より思った以上の成果が表れます。それは目先の成果はもちろん、長い目で見た時にとても重要な意味を持ってくるのです。

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