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週刊こぐま通信
「小・中・高 現場教師が語る幼児教育の大切さ」

vol.52「算数を得意にするマクロ環境 ~育児特別番外編~『歯磨き』」

2011年4月15日(金)
こぐま会小学部長 渋谷 充
 以前から算数を得意にする生活は「具体的にどのようにしたら良いのか。」というお話を伺うことが多かったので、今回はより具体的に語ります。野暮ったく聞こえるかもしれませんが、いつも固い話が多いので寛いでご覧ください。

「歯は毎日3回は必ず磨きなさい」

ごく当たり前のしつけで、これが悪いことであると否定できる人はなかなかいないでしょう。私も悪いしつけだとは思いません。そして、このしつけをするべきだと考える一般的な理由は大きく二つあります。「虫歯にならないように」と「よそで恥をかかないように」です。これらの理由であれば、大人の経験則や科学的裏づけも含め明らかなので、子どもに押し付けても良いだろうという暗黙の追い風が吹きそうです。
しかしながら、僕もそうでしたが子どものころ歯を磨かなくても虫歯にならない人間はいくらでもいます。今でも歯医者に行ったことはありません。1日7回磨いても虫歯になる場合も多くあります。また、歯磨きをしなさいといっておいて、本当に正しい磨き方を子供に教えることができている自信があるでしょうか。乳歯が虫歯になることが、長期的に見て本当に悪いことなのでしょうか。
以上理系的な視点から、さまざまな疑問を投げかけてみましたが、このような一見タブー視されるようなことを思考することは、決して否定すべきものではありません。また、習慣だけでも残れば後で困らないといった論理が正しいかも怪しいものです。一度「口くさいよ」と友だちに言われ、その後自ら歯磨きの重要性を知った子どものほうが、血の通っていない習慣を身につけている子どもより歯磨きだけにとどまらない発展をする可能性を残すのは明白です。

それでも「歯は磨いたほうが良い」です。もちろん確率的にも歯を磨いていたほうが虫歯になりにくいと実証されているからこそです。また、親子の関係は上記のようなドライなものではなく、この習慣を身につけさせることも歯磨きの是非以上の重要性を持っているのです。ですから、菌の存在の有無が決定的因子になっているこの問いに、どのような「しつけ」としての落としどころを見つけるかが親の腕の見せ所です。

バランスをもってチャレンジするとしたら
「歯は磨かなくても虫歯にならない子どももいるらしいけど、あとあとのために磨いておいたほうがいいじゃないかなー」と言って、習慣化するまで一緒に磨いてあげることです。
(そんなに簡単に磨いてくれたら子育てに困らないですが)
いずれにしても親は子育てのために、一緒に成長しながら試行錯誤を繰り返すべきです。このような親子ともども理系的思考力の芽を摘まなければ、自然に算数が得意になる素地が備わっていきます。
そんな細かいことまで・・・と思われるでしょうが、こうすることが育児であり「育自」であると考えます。

次回は「マクロ環境 考察編(2)」を掲載いたします。

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