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週刊こぐま通信
「Primary English コラム」

英語の読み書き―はじめの一歩は小文字の習得

第8号 2005/09/08(Thu)
Primary English 代表 廣瀬亜利子
 英語クラスでは、毎年8月は集中授業を行います。1回2時間の授業を2日間続けて参加してもらいます。1回が2時間と通常に比べて長いので、各学年、普段なかなかできないことをテーマに、ここでじっくり学習します。1年生は毎年このときから英語の読み書きを始めます。

 はじめて顔合わせをしたときは、どう声をかけてキョトンとするばかりでしたが、8ヶ月近く経ち、「英語で会話すること」に(ごく簡単な内容ですが)いつのまにかすっかり慣れて、自然に英語で答えが返ってくるようになりました。大人でも、英語に慣れていなければ、たとえ簡単な質問であっても構えてしまうところがありがちなので、とても嬉しく思います。そして今、「読み書き」を始めるベストタイミングです。

 児童の場合「読み書き」は、「話す」と同時に最初から始めても、全く効果はありません。ある程度、英語の世界に慣れてきてからでないと子どもの中に吸収されないのです。最初から無理やり教えようとしても、子どもの中で「読み書き」も、「話す」と同様、コミュニケーションの手段だという感覚は芽生えず、全く両者は無関係で「別物扱い」になってしまうのです。ところがある程度簡単な会話にも慣れ、語彙も増えてくると、逆に子ども自ら「英語で書いてみたい、読んでみたい」という欲がでてきます。そのときが「読み書き」のはじめ時です。

 「読み書き」のはじめは、言うまでもなくアルファベットの書きかたからです。それも中心は小文字です。どういうわけか、大文字を重点に教える学校のほうが多いようで、私はそのことが不思議でなりません。実際、英語における文の構成は、はじめの一文字以外、ほとんど小文字で構成されているわけですから、小文字がわからないと英語の読み書きはできません。それなのになぜ小文字を中心にしっかり教えないのか、理解できません。

 私は毎年、集中授業の時間を利用して、小文字が完璧に自分のものになるまで、手を変え品を変え、徹底的に指導していきます。このはじめの一歩の部分に時間をかけることで、「読み書き」という英語のもう一つの顔にも慣れてほしいからです。

 今年は、まず各自、木製のアルファベットカードを作りました。あらかじめ用意しておいた正方形の板に、クレヨンで1枚1枚a,b,c…と1文字ずつ書いてもらいましたが、実際の作業に移る前に、1文字ずつ書き方の練習を何回も行いました。そして、クレヨンで清書した上からニスをかけて仕上げて、とても素敵な木製カードができました。それを家庭で、小文字かるたとして使ったり、ことばをスペリングしたり、手作りの復習用教材として役立ててもらえばと思います。

 それ以外にも、かるた取り、ビンゴ、大文字と小文字のマッチングゲームなど、いろいろなゲームをしながら小文字の学習を集中的に行いました。その結果、8割ぐらいはわかったようです。が、どうしても「小文字のrがわからない」とか、pとq、dとb、nとmの区別つかないなど、クリアしなければならない点が若干残されています。

 完全制覇まであと一歩というところまで来ているのですが、子どもたちにとって「小文字」を習得することは、想像以上に難しい課題であることを、毎年この時期になる度に強く実感します。

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