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週刊こぐま通信
「Primary English コラム」

英語で質問に答える―振り子のイメージ

第6号 2005/08/04(Thu)
Primary English 代表 廣瀬亜利子
 日本語で、たとえば「あなたは今朝何時に起きましたか?」という問いに対して、「7時に起きました。」あるいは「7時です。」と答えるでしょう。それが英語になると、”What time did you get up this morning?”の答えは、”I got up at 7 o’ clock.”「私は7時に起きました。」となります。日本語では、自分に対する問いかけに答えるときに、「私は」と主語を言いません。逆に「7時です。」というように、尋ねられた動詞「起きる」を省略しても、決してカジュアルではなく、十分に正しい答え方だと言えます。

 英語でも、もちろん”seven.” だけで十分通じます。疑問詞に対してのみ単語で答えるというのは英語圏の人たちの間でも時折見られる光景ではあります。しかし、私たち日本人がその答え方のみを採用してそれで全て良し、としてしまうのはとても危険です。彼らは全てわかった上でカジュアルに会話するためにあえて省略しているのであって、英語を外国語として習得する過程にあるとき、あらゆる質問に対して単語で答えるだけにとどまってしまうと、そこから先発展できなくなります。現に他塾から移ってきた子どもの多くにこの傾向が見られます。「使える英語を目指して」を目標にクラスを運営している私としては、どうしても賛同できるものではありません。

 3年間で基礎をしっかり身につけた上で、自分で省略できるところは省略する、文の構成上省略してよいところといけないところがはっきりと自分で判断できるようになる、更にはTPOに応じて、つまり話す相手によって、場面によって、省略するしないを使い分けることができるようになれれば理想的です。

 この「理想」を目指すためにも、まずは質問にfull sentenceで正確に答えられるようになるべきです。そのために、普段クラスの中で、繰り返し言い続けていることがあります。それは質問に答えるときの「コツ」のようなものです:

 質問と答えは時計の振り子のようなものとイメージしてほしい。聞かれたとおりに答えればよい。たとえば;

 “Do you have a dog?” “Yes, I do.”

 “Were you hungry yesterday?” “Yes, I was.”

 というように”do” で聞かれたら”do”で答える、be動詞で聞かれたらbe動詞で答えるのです。また、はじめの1語をしっかりと聞き取る。疑問詞は?そして、動詞は?;

 “What do you eat for breakfast?” “I eat a toast.”

 質問の中に出てきた動詞eatは、答えの中で必ず主語の次に言います。そして動詞の後に疑問詞についての答えを言えばよいのです。つまりこの場合「何」を食べるかを聞かれているので、”eat”の次に”a toast”と言えば完成です。

 疑問詞、主語、動詞、そして時制、聞き取らなければいけないことは最低4項目あるのでそう簡単なことではありませんが、繰り返しているうちに確かにこどもたちはコツを掴み始めます。3年目の子どもたちぐらいになると、かなりスムーズに聞かれたことに忠実に完璧に答えられるようになっています。彼らが自由に「省略」できるようになる日もそう遠くではありません。

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