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週刊こぐま通信
「Primary English コラム」

読み書きの習得法-”Phonics”

第4号 2005/06/23(Thu)
Primary English 代表 廣瀬亜利子
 英語の読み書きを習うのに、日本では、発音記号に従って読み方を知り、ひたすら綴りを暗記して書き方を習得するというのが一般的ですが、児童英語においては、この方法は適切ではありません。まず発音記号そのものを覚えなくてはならないし、一単語ごとに暗記することになるので時間もかかるし限界があります。そこで、私のところでは、音と文字を一致させるという方法(Phonics)で指導しています。Phonicsの中でもまた何通りかの方法がありますが、イギリスの5~6歳児が行うのと同じ方法を採用しています。

 取り扱う文字は小文字のみで、一文字ずつ、書き方と同時にその音を教えていきます。音を耳で聞いて、それを文字に表すという方法です。一番理解しやすく、確実な方法だと私自身、実感しています。

 初めに習うのはa, e, i, o, u、の5文字ですが、”ice”の”ai”というようにアルファベットの文字の読み方どおりに発音する”long vowel”(長母音)ではなく、”ink”の”i”のように”short vowel”(短母音)のみを扱います。この5文字のshort sound を完璧にインプットすることが、できたら、t, p, m, n, dに進みます。これらは語尾にくる文字の中でも比較的、音が聞き取りやすく、字数の少ない単語の語尾にもよく出てくるものです。

 以上の10文字を使って、on, in, at, it, up, an, am, and, end, antというように、母音+子音という順序になっている単語が10個できます。これらはそれぞれの音のとおりに発音すればよいので、簡単に読み書きできることになります。

 この後さらにg, k, l, r, y…と音の種類を増やしつつ、次の段階として、ma, na, da, pa, ra, ta, la, …me, ne, de, pe, re, te, le,…というように 子音+母音の順序になると、音がどのように合成されるかを、一音ずつ学習していきます。そして、”ra”に”t”をつけて”rat”, ”dog”は”do・g”というようにして、(子音+母音)+子音などの読み書きが、少しずつできるようになっていきます。

 このように、文字と音を一致させる方法(Phonics)だと、名詞、動詞などに関係なく、また文字数の多い少ないに関わりなく、自然に読み書きできるようになり、「スペルを暗記する」必要もなくなります。

 Primary Englishの2年目の子どもたちは、少し前から動きことばを始めていますが、たとえば、”sit”, について、ことばの意味がわかった上で、自分で”si・t”と発音しながら書くことができます。同じようにして、”sing、drink、cut, run, get up, swim, stand,”については今の時点ですでに「理解して書けて読める」ようになっています。また、名詞についても、たとえば、”pumpkin”などのように、短母音のみが入っていることばであれば、”pu・m・p・kin”とやはり音のとおり文字を綴ることができます。

 私のクラスでは、名詞でも形容詞でも動詞でも、いずれも「単語を並べる」ということは一際しません。あくまでも表現の仕方を学習するためのクラスなので、たとえどんなに短くても必ず”sentence”で表現できるように指導しています。「書く」も表現の手段として「話す」と同じくらい重要ですので、自分が口頭で表現できることは、同時に読み書きもできるようになっていて欲しいと思います。もちろんこれから先、長母音、子音の合成音など、複雑になってはいきますが、その都度、音と文字さえ一致していれば、さほど苦労なく進んでいけると思います。

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