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週刊こぐま通信
「合格者からのアドバイス」

合格者からのアドバイス(19)

2008/06/27(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可
実際に受験されて、どのような感想をお持ちになりましたか。来年受験される方に、どんな小さなことでも結構ですから、アドバイスがありましたらお願いします。

 合格を勝ち取るために何かがあるならば、むしろこちらが教えていただきたい、と経験した今も思います。一緒に頑張ってきたお友だちの厳しい状況を見ますと、いったい何故??と合否が出てからずっと考えています。合否の境がどこにあるのか、いくら考えてもわからないのが、小学校受験のような気がします。合否を勝ち取るための方法はわかりませんが、この1年心掛けてきたことはいくつかあります。

  • 子どもと遊ぶ時間を多く持ち、お友だちとも短時間でも遊ぶ時間が持てるようにする。お友だちと遊んでいる時は、子どもの様子をよく見て、何かあればその都度、接し方、かかわり方を考えさせていく。
  • できることは、生活の中に取り入れる(食事の前に机を拭かせる。脱いだ服は風呂敷で包む等)
  • ペーパーは子どもの調子が良い時間に設定し、苦手なものは具体物に戻る。やる気のない時でも「頑張ってほしい」という気持ちで向かい合う。
  • 受験ということを子どもに知らせない

多分どこのご家庭でもやっているようなことばかりだと思います。初めての経験で、手探りの状態でわからないこと、不安なことは、とにかく先生にご相談しましょう。お教室は道を示してくださり、心のよりどころになってくださいます。けれども、やはり振り返りますと、基本は家庭にあるように思います。
受験は結果がでて初めて、合否の厳しさを感じます。たとえどのような結果でも、子どもにとって無駄ではなかった、と思える日々を送れるよう努めていくことが、何より大切だと感じております。

 試験が終わり、結果が出た後も、友人たちの結果を踏まえながら「合否の境がどこにあるのか、いくら考えてもわからないのが、小学校受験のような気がします。」と述べていますが、これが小学校受験の現実だと思います。小学校受験は学力主義ではなく実力主義だというところまでははっきり言えますが、その実力とは何なのか。何を評価され何がマイナス評価されたのか。そこに学校の方針があるはずですが、点数化されないだけにわかりにくくなっています。中学校や高校・大学のように、試験の点数で合否が決まるのならばわかりやすいのですが、そうでないところが、小学校受験のわかりにくさでもあります。その反面、「学力だけが人間の成長にとってすべてではない」という意味では、まともなような気もします。また、「年長秋の学力だけで、小学校入学以降の正常な発達は保証できない。遊べない子は伸びないんだよ」というある校長の発言も納得できます。子どもを取り巻く人間的な環境や、子どもが物事に取り組む姿勢、人間関係の持ち方などが、入学後の子どもの成長を保証する「レディネス」なのでしょう。この点はしっかり押さえておくべきです。

また、「基本は家庭にある」というアドバイスは、大事だと思います。すべてを教室任せにするような姿勢では、最初から結果はわかっています。家庭で人間関係の基本を学び、生活の中にある教育チャンスを逃さず活用し、家庭での繰り返しのトレーニングでものの見方・考え方を身につける・・・という意味で、基本は家庭にあるのです。また、「どんな結果になっても、受験のための準備教育が無駄ではなかったと思えるような生活や学習を進めていくことが大切だ」というアドバイスも、ぜひしっかりと受け止めてください。

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