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週刊こぐま通信
「合格者からのアドバイス」

合格者からのアドバイス(16)

2008/06/06(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可
来年以降受験される方に、どんなことでも結構ですから、アドバイスをお願いします。

小学校受験を終えて

 私どもにとって、小学校受験は、子どもがどのように育ってほしいかを考える良い機会になりました。初めは、友人のお嬢さんが私学に入ったのを聞き、ただ「うらやましい」「中学受験しなくていいなあ」など世俗的な気持ちで、受験を考えていました。ですが、こぐま会に入会し、こぐまクラブでいろいろな学校の資料に目を通すうち、私学、とくにカトリックの学校の方針にたいへん共感を持つようになりました。他人に対し思いやりを持つ、目標を持ってそれに向かって努力するなど、とても大切なことを学校教育の中心に置いています。その中で、柔軟な心を持ち、かつ理解力も深まる小学校時代を過ごすことは、娘にとって本当に幸せなことだと考えました。
 受験に対する準備ですが、学習面ではこぐま会の授業を中心に、その予習復習を行い、さらにその発展を家庭の中で行いました。背丈ほどのペーパーをやらないといけないなどということはありません。こぐま会の先生がおっしゃるように、1枚1枚をじっくりやることが大切だと思います。そして、必ず毎日勉強しました。時間がない時は1、2枚でもいいと思います。少しでも不安な時は、先生にお聞きしました。たとえば、点図形の線の引き方、色の塗り方、○の描き方など、簡単なことでも不安なまま「まあ、いいか」というのは良くないと思います。そして、苦手なことは毎日少しでもしました。「苦手なことを得意にする魔法はない」これが我が家の合言葉でした。そして、大切なことは「怒らない」ことです。子どもはすぐに忘れます。少し応用になるとすぐできなくなります。解っていながら、年長の夏に急に問題が難しくなった時に、できなくて怒ってしまいました。その後子どもは委縮し、ものすごく成績が落ちました。最後まで尾を引いたように思います。
 願書などについてですが、早めに一度書いてみることをおすすめします。私どもは、面接練習が6月にしか取れなかったため、その頃から書きました。その結果、こぐま会の先生に添削していただき、私なりに満足のいく願書になりました。セミナーで教えていただいたように、家でのエピソードなどをまめに書いておくと、とても役立ちます。

 私のクラスに在籍し、いろいろなご相談に乗りながら難関校に合格した方のアドバイスですから、1年間のがんばりを今となっては懐かしく思い出します。お母さまもお仕事を持ち、ふだんの授業の送り迎えは、土曜日にお父さまがされていました。学習相談も、どちらかというとお父さまからの質問が多かったように記憶しています。お母さまがお仕事を持たれていると学習時間をどう確保するかが最大の悩みですが、必ず毎日勉強したということですから、家族一丸となって、受験に向かっていったのだと思います。ここには書かれておりませんが、お父さまの役割が相当大きかったのではないかと思います。

夏を過ぎた頃から自信をなくし、いつも不安そうにしていました。9月半ば過ぎ、面談を約束した際、前もっていただいたお手紙が今も手元にありますが、入試を控えて心配な様子が、いっぱい書かれています。具体的な問題の教え方等の質問のあと「・・・本人は勉強をすごく嫌がっていませんが、意欲的でもありません。最近はなるべく褒めて、スキンシップも多くしていますが、心配が募ります。できればあと一か月、家族で意欲的に過ごしてまいりたいと思います。先生の今までのご経験から、本人が意欲的になるきっかけ、方法をご存知でしたら、ぜひ御教示いただけましたらと思います・・・」とありました。

私は、学力は相当高いものを持っていることを伝え、自信を回復する為に、もう一度基本問題に戻り、繰り返し練習することをアドバイスしました。そして、勉強以外の楽しい活動も取り入れ、気分転換をし、スキンシップを多く持つようにお願いしました。授業中もたくさん発表させ、できた時は大勢の前で褒めてあげました。その結果、入試までには、大分自信を回復し、本試験を迎えられたのだと思います。

入試対策の山場である夏休みを過ぎると、いろいろな問題が顕在化します。特に、難しい問題で自信をなくし、母子関係の悪化で逃げ込む場所を失い、精神的に不安定になる子が多く見られます。特に、成績優秀で頑張ってきた子が、精神的なもろさを露呈します。入試本番までに起こるさまざまな問題を予防するためにも、担任の先生との間に常に相談できる関係づくりが大事です。

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