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週刊こぐま通信
「合格者からのアドバイス」

合格者からのアドバイス(9)

2008/04/04(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可
 来年受験される方に、どんな小さなことでも結構ですから、アドバイスをお願いします。

父親として心掛けたこと

私にとって、子どもの小学校受験は他人事のように思っており、わが子が受験するとは夢にも思いませんでした。しかし、受験すると決めてからは、下記の2点を心掛けました。

 (1) 何事もともかく夫婦で話し合う
  • どの学校の校風がわが子に一番合っているのか話し合い、学校説明会やバザーなどに出向き、校風を肌で感じ志望校を決めました。

  • 受験校は、両親面接があったため、ひと月前から毎晩面接の練習問題を2~3問出し合い、傾向と対策案を考え場慣れしました。当日は、まったく予想しなかった面接内容でしたが、なんとか対応できました。

 (2) 子どもが、気持ちよく楽しく勉強できる環境づくり
  • 母親ばかりが勉強を見るのではなく、父親も時間をつくり勉強を見ました。「決して叱らず、怒らない」「解るまで最後まで根気強く教える」ことに重点を置きました。特につりあいの問題等は実際に模型などを作り、目で見て覚えることを学ばせましたが、親も逆にどうしたら子どもが解りやすく学ぶことができるのかを学ばされました。

  • 休日は公園やプールなどに行き、体を動かすことで子どものストレスを発散させながら勉強に取り組むなどメリハリをつけました。このことにより家族の絆の大切さを知ることができました。また、子どもに「お父さんとどんなことをして遊びますか」との質問にも子どもは素直に答えることができました。

  • 子どもに言うだけでは子どもは実行に移さないので、親が見本を見せたこともあります。たとえば我が家では、「絵の表現力を増し、描かせるため」夏休みの旅行にはカメラを持っていかない代わりにスケッチブックとクレヨンを持参し、森の散策に行った際に、その場で絵を描きました。しかし、絵を描く試験は出ませんでした。

 最後に、母親ばかりに受験勉強を任せるのではなく、夫婦互いの役割分担を決めることにより、母親の負担も軽減され、子どもへの対応も柔らかくなり、スムーズな受験対応ができるのではないでしょうか。仕事は忙しくとも、子どものために、2か月間は一日のうちの30分や休日を費やすことはできると思います。

これは、合格されたお父さまよりいただいたアドバイスですが、家族一丸となって合格を勝ち取った典型的なご家庭だと思います。私たちも、父親講座等を開き、受験に際しての父親の役割を強調してきましたが、それが実行された例として、これから受験されるご家庭でもぜひ参考にしてください。つり合いを理解させるために実物の模型を作ったり、観察力や描画力を高めるために、カメラを持たずにスケッチブックを持って旅行に出かけ、森で絵を描いたことなど、いろいろ工夫されてきたことに感心します。そうした、ご両親の姿勢がきっと子どもにも伝わり、何事にも意欲的にかかわる姿勢ができたのだと思います。小学校入試は子育ての総決算であると同時に、家族の絆を深めるチャンスです。合格―不合格がはっきり出てしまう、厳しい現実もありますが、家族一丸となって目標に向かって頑張り続ける姿勢は、何物にも代えがたい宝物になるはずです。

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