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週刊こぐま通信
「合格者からのアドバイス」

合格者からのアドバイス(7)

2008/03/14(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可
 生活面や学習面でこの1年間、気をつけていた点は何ですか。その中で、受験において大切だと感じたことや、役に立ったことはどんな点ですか。

 生活面におけるすべてが、受験勉強だと思いました。朝の身支度、食事のマナー、あいさつ、遊ぶこと、友だちとのかかわり、自分の物の整理・片づけなど、どんなこともおろそかにしてはいけない事です。当たり前のことが自然にできるように、母親は叱って教え込むのではなく、家庭生活の中で小さい時から身につけさせるようにしなければいけないと思います。はっきり言って、本当は、ばらクラスに入る前の段階で、この程度の事はもうできていなければなりません。
学習は、家庭学習が基本であるというこぐま会の考えに、私も全く賛同しておりましたので、家庭学習の時間が取れなくなるほど、おけいこに連れ歩くのは絶対に避けたいと思っていました。とはいっても、体操やお絵かき、それに1月からは特別クラスも始まり、忙しくなりました。そこで、いろいろ工夫して、とにかくおけいこに出る日は週4日以内に抑えました。そして、朝は30分~1時間、こぐまの教材を活用して学習し、夕方は少し難しい問題や、手先のことを練習しました。時間が無ければ無いなりに、どんな短い時間でも1つの事をするのは可能です。どんな時も、どんな日でも、必ず10分でも学習する時間をとることです。今、教室ではどんなことを学んでいるのか、自分の子どもがどんな点が不得意なのかを細かく把握できるのは、母親以外にありません。そして、例えば左右を学んでいる時は、日常生活の中でさりげなく左右を体験させ、季節の花を学んでいる時は、花の名前を当てるゲームをしたり、電車を待つ間でも、幼稚園に行く途中でも、子どもといる時間はすべて大切な時間です。また、日常授業の予習・復習は必ずしました。特に予習していくと、自信を持って授業に臨めるし、発言する機会も増えます。どうしても時間がない時は、行き来の電車の中で、今日はどんなことをするのか話したり、問題を解いたりしました。

 受験対策が机に向って行う「ペーパートレーニング」だけではないということを、ぜひこの方のアドバイスから学んでください。生活面におけるすべてが受験勉強だという捉えかたは、「子育ての総決算としての入試を」と言い続けてきた私の考え方と全く同じ事です。ペーパーの点数で合否が決まらない小学校入試は、今後ますますこうした考え方での対策が必要です。
学習においては、家庭学習が基本であるといことは、こぐま会の方針として強く言い続けてきたことです。おけいこを週4日以内に抑え、あとは家庭学習の時間を確保し、また、毎日の生活の中で、学んできたことを反復練習するという徹底さが、合格を勝ちとった最大の理由だと思います。基本をどれだけ大事にしたかが、難しい問題を解く力に大きな差となって表れてきます。パターン化した練習では、工夫された最近の入試問題に対応できません。自分で考えるくせをつけるには、ペーパー以外の場面を活用するしか方法はありません。柔軟な思考力は、そうした日常生活の中での経験に支えられて身についていくものです。
毎日10分でも良いから学習を続けてきたという努力は、お稽古に通わせることで安心してしまわない気持ちの現れです。これが大事です。学習を含め、家庭でできることは家庭で行うという徹底した姿勢が大事です。教育をすべて他人任せにしてしまう「教育の外注化」をやめない限り、合格は勝ち取れません。

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