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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

数 応用33 置き換え・交換・消去8

2009/11/20(Fri)
 前週は、幼小一貫論理育成問題集「置き換え・交換・消去」の中から「シーソーを使った消去」の問題について考えていきました。今週は小学校の算数に出てくる「消去算」のようにして解く問題について考えていきたいと思います。この問題集の中に次のような問題があります。

 上の部屋をみてください。動物村のお店では、ドングリをお金にして買い物ができます。リンゴ2個とミカン1個は、ドングリ5個で買えます。リンゴ2個とミカン2個を買うにはドングリが6個いります。
(1)ミカン1個を買うには、ドングリはいくついりますか。その数だけ一番上の部屋に青いをつけてください。
(2)リンゴ1個を買うには、ドングリはいくついりますか。その数だけ真ん中の部屋に青いをつけてください。
(3)リンゴ3個とミカン2個を買うには、ドングリはいくついりますか。その数だけ一番下の部屋に青いをつけてください。
解答
一番上の部屋に1個、 真ん中の部屋に2個、 一番下の部屋に8個

小学校の文章題では、ドングリのところが~円と値段になっていますが、この問題はそれをドングリに換えただけで問題の性質は変わりません。では、実際に問題の解き方を解説しながら「消去」の考え方で求められるものを明らかにしていきたいと思います。

(1)の問題は、上の部屋の2つの買いもの例を比べて考えていきます。2つを比べると、下の方がドングリが1個多くなっています。ここで大切なことは、なぜ下の方がドングリが多いのか、その差の原因を考えることです。上下の例を見比べると、下の方はドングリだけでなくミカンが1個多いことがわかります。このミカン1個の違いがドングリ1個の違いに現れています。そこで、ミカン1個はドングリ1個だということがわかります。また、この方法とは別に、上下の例を比べて同じものを取り去っていくというやり方も考えられます。左側は、リンゴ2個とミカン1個が共通していて、右側はドングリ5個が共通していますから、これを取り去ってしまいます。すると、左側にはミカン1個、右側にはドングリ1個が残ります。この方法でもミカン1個はドングリ1個と等しいことがわかります。

(2)の問題は、(1)でミカン1個を買うために必要なドングリの数が分かったので、ミカンをドングリに置き換えて考えます。上の例では、リンゴ2個とミカン1個でドングリ5個分ということが示されています。ミカン1個をドングリ1個に置き換えると、リンゴ2個とドンクリ1個でドングリ5個分となります。両方から共通しているドングリ1個を消去すると、左側にはリンゴ2個、右側にはドングリ4個が残ります。ドングリ4個を半分にするとリンゴ1個分になるので、リンゴ1個はドングリ2個となります。
 
(3)の問題は、(2)でリンゴ1個がドングリ2個分と分かったので、リンゴ3個だとドングリ6個分になります。ミカン1個はドングリ1個分なので、ミカン2個はドングリは2個分です。したがって、必要なドングリの数は6個と2個を合わせた8個となります。

こうした問題は、普通はじめは易しく、問題が進むにしたがって難しくなっていきます。しかしこの問題は反対で、(1)と(2)が難しく、(3)は(1)、(2)で出た答えを当てはめていけば良いのです。(1)は2つのものを比較して、その違いに気が付くかどうかがポイントです。裏返せば、何が同じなのかを考えることができることが大切だと思います。2つの事象の同一性、相違性に着目し、同じところを省いて違うところを際立たせることが「消去」の考え方ではないでしょうか。さらに、(2)では(1)の結果を問題に置き換えて考えていくことが求められますから、かなり難しくと思われます。

次回は、消去算のもうひとつの考え方「代入法」について考えていきます。

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