週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」数 応用23 数の複合1
2009/9/4(Fri)
前回まで「数の総合問題」について考えてきましたが、今週からさらに難しい「数の複合問題」について考えていきましょう。「ひとりでとっくん63 数の複合」 の中に次のような問題があります。
箱の中には、外に出ているケーキより2個多い数のケーキが入っています。箱の中には、いくつ入っていますか。左の部屋に、その数だけをかいてください。また、ケーキは全部でいくつありますか。右の部屋にその数だけを描いてください。


解答
左の部屋 5個 、 右の部屋 8個
左の部屋 5個 、 右の部屋 8個
数の複合問題とは、ひとつの数の問題を異なった2つ以上の考え方を組み合わせて解いていく問題です。上の問題は数の多少と数の合成の複合問題です。はじめに数の多少の考え方を使って、箱の中のケーキの数を出します。これは、外に出ている3個のケーキよりも2個多いケーキの数を求めるのですから、箱の中には5個のケーキが入っていることがわかります。そして、その次に数の合成の考え方で、箱の中の5個のケーキと箱の外の3個のケーキを合わせて、ケーキは全部で8個あると考えます。
小学校入試における数の問題は、以前は「分類計数」「数の多少」「同数発見」などが別々に出題されていました。それぞれの問題の出来具合で数に関する能力を見ていたのです。ところが最近は、上のような複合問題が多く出題されています。数の能力というよりは、子どもの思考力を見ているのではないでしょうか。単純な数の問題であれば、繰り返しトレーニングをすれば問題に慣れてきて、だんだんできるようになってきます。ところが、こうした複合問題はパターン化した練習では解くことができません。ひとつひとつ現実的な場面から考え方を組み合わせていかなくてはならないので、単純ではないのです。
「ひとりでとっくん63 数の複合」の3ページ目にこの問題があります。ここでは「数の複合」の考え方を理解させる意図で質問を2つに分けていますが、ページを追うごとに少しずつ考え方の組み合わせを自分で考えられるように問題が難しくなってきます。そして、同じではありませんが、次のようにかたちを変えた問題も掲載されており、こちらの難易度はかなり上がります。
「箱の中には、外に出ているケーキより2個多い数のケーキが入っています。ケーキは全部でいくつありますか。その数だけを描いてください。」
難しくなる原因は、質問を2つに分けず、ケーキ全部の数を直接問うところにあります。多くの子どもはここで箱の中のケーキの数しか解答しません。しかし、本来入試問題はほとんどがこのように直接答えを求める形で出題されています。ですから、このように聞かれてもできるようにならないといけないのです。
そのためには何が必要なのでしょうか。次回からこの問題について考えていきましょう。