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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

数 基礎36 数の一対多対応4 包含除

2009/5/29(Fri)
 今回は一対多対応の中から、「包含除」の考え方についてふれていきたいと思います。
「ひとりでとっくん35 一対多対応」 の中に次のような問題があります。

 ここにあるタイヤを使ってミニカーを組み立てようと思います。何台のミニカーができますか。その数だけ下のお部屋にを描いてください。

解答
5個の

 包含除というのは、わり算の考え方のひとつです。これまで扱ってきたかけ算は、(1当たり量)×(いくつ分)=(全体量)でしたが、この包含除は、(全体量)÷(1当たり量)=(いくつ分)になります。
つまり、かけ算では全体量を出しましたが、この包含除では反対に全体量から「いくつ分」を出すのです。この問題で言えば、自動車は1台当たりタイヤが4個ですから、ここにあるタイヤを4個ずつで囲むか、あるいは線で結んでいきます。するとその塊が5個できますから、5台分のタイヤの数であることがわかります。

このような問題でよくある間違いは、答えの欄に車5台分のを描かずにタイヤの数20個全部を描いてしまうことです。4をまとめて1と考える考え方が不十分なため、ついついそれを構成するもの全部の数を描いてしまうのです。このように1ではないものをいくつかまとめて1と見る考え方は、算数において今後とても大切な考え方なのです。この場合で言えば4なのですが、それを1と考えなければならないので、相対的思考です。これは幼児にとっては難しい考え方なのです。

こうした考え方をしっかりと身につけるためには、「何をひとまとめにするのか」をしっかり意識することが大切です。ですから、ここでは4個を描くたびに「これで車1台分」など言語化してみるといいのではないでしょうか。
この問題も一対多対応で考えたときと同じように、ひとまとめにする数、つまり1当たり量がこの車のタイヤのようにはっきりしている場合は考えやすいのです。ところが、次のように1当たり量が決まっていない場合は、しっかりと聞き取らなくてはならないため考えづらいと思います。

(例)
アメが16個あります。ひとり3個ずつアメをあげると何人の子どもにアメをあげることかできますか。

この1当たり量は3ですが、この場合でもをつけたときに「これはひとりにあげるアメの数」と意識するといいのではないでしょうか。このように問題を解く際に行うひとつひとつの行為に関して、その行為の意味を意識していくといいのではないでしょうか。

次回はもうひとつのわり算の考え方である「等分除」との関係について考えていきたいと思います。

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