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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

数 基礎35 数の一対多対応3 かけ算の考え方3

2009/5/22(Fri)
 ここ何回かにわたって、かけ算の元になる「一対多対応」の基本的な考え方についてお話ししてきました。かけ算は、(一当たり量)×(いくつ分)=(全体量)です。前回は、この中の「一当たり量」についてお話ししましたので、今回は「いくつ分」について考えていきましょう。
「ひとりでとっくん35 一対多対応」 の中に次のような問題があります。

 5人の子どもたちに、ビスケットをひとり2枚ずつあげるには、いくつあればいいですか。また、チョコボールを4個ずつあげるには、いくつあればいいですか。その数だけそれぞれのお部屋に鉛筆でを描いてください。

解答
ビスケットの部屋に10個の、 チョコボールの部屋に20個の

 この問題は、「いくつ分」がはっきり分かっている問題です。子どもは5人座っていて、ビスケットはひとりに2個ずつですから、2個ずつ5回を、チョコボールはひとりに4個ずつですから、4個ずつ5回を描けばいいのです。
このように配るべき人数がはっきりわかっている場合は間違いは少ないのですが、それが次のような問題になるとなかなか難しいと思います。

 1箱に2個ずつチョコレートが入った箱が4箱と、1箱に3個ずつチョコレートが入った箱が2箱あります。全部の箱からチョコレートを出して、お皿の上に乗せました。お皿の上のチョコレートは全部でいくつありますか。

この問題は、一対多対応の問題が2回出てきます。ペーパーで行うときは、2個ずつ4回の8個と、3個ずつ2回の6個の合計14個のを描けばいいのですが、間違いも多く出てきます。それはほとんどが聞き落としです。「一当たり量」は聞けても「いくつ分」が聞けなかったり、その反対だったりします。こうした子は、一対多対応の考え方がまだ十分に理解できていないのです。

この考え方を身につけるためには、常に「いくつずつ何回」をつけるのかを意識するといいと思います。ですから、日常的に一対多対応の問題を行ったら、「いくつずつ何回を描いた?(おはじきを出した?)」と問いかけて、常に(一当たり量)×(いくつ分)=(全体量)というかけ算の考え方を意識させるといいと思います。全体量を出すために、おはじきを出すのもを描くのも、いつも一当たり量を塊と考えて、その数のおはじきをまとめて出します。そして、その塊をいくつ出すのかを意識して行うといいでしょう。

冒頭の問題のように、配るべき人数がはっきり描いてあれば問題ありませんが、ほとんどの場合が後者のようにすべて聞き取っていかなくてはなりません。そのためには、話の聞き取りの場合にも言えるのですが、問題を聞いているときにいかに現実の場面を思い浮かべることができるかがポイントです。

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