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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

数 基礎19 数の多い少ない4 ~より~個多い(少ない)数

2008/11/14(Fri)
 前回、前々回と2つの数を比べて、どちらがいくつ多い、少ないという数の差を求める課題について考えてきました。「数の多い、少ない」には、差を求める課題以外に「~よりも~個多い(少ない)数」という考え方もあります。

これは次のように指導します。まず、下のようにおはじきを5個置きます。ここで「このおはじきよりも2個多いおはじきを出してください」や「このおはじきよりも2個少ないおはじきを出してください」などの問いかけをします。


2個多く出す場合には、まずこれと同じ数の5個のおはじきを出して、これにさらに2個付け加えて7個にします。また、2個少なく出す場合は、まず同様に5個のおはじきを出して、そこから少ない数の分2個を取り去り、3個にします。このように「~個多く出す」場合は、その数おはじきを付け加え、「~個少なく出す」場合は、その数おはじきを取り去ればいいのです。
しかし、この意味がわからず、どちらの場合でもおはじきを2個しか出さない間違えが多くあります。これは、はじめの「このおはじきより」と言う部分に注目せずに、「2個」という個数だけを聞いてしまうことからくる間違えなのでしょう。

つまりこの課題は、言われた数だけおはじきを出すことよりも難しいのです。それは、しっかり基準になる数(この場合は5)を意識しなければならないからです。それより多い数を考えるのにも、少ない数を考えるのにも、基準になる数からはじめて考えていかなくてはならないのです。慣れてくると比較的速く暗算でできるようになりますが、初めのうちは答えを出すまでにかなりの時間がかかります。
それでは、「5より2多い数」と言われたら、6、7と数え足し、「5より2少ない数」と言われたら、逆に4、3と数え引いていく方法もあります。しかし、これは時間がかかります。また、1つでも数え間違えたり、数え始めの数を間違えると正しい答えが出ません。数える方法は一見便利そうですが、あまり発展性がある方法ではありません。ですから、上のようにおはじきを使って練習することが最もいい方法だと思います。繰り返しおはじきを使っていくことでおはじきが頭の中にイメージできるようになってきます。
また、指を使う方法もあります。ところが、指を使うと、指に頼ってしまいますし、今後この「数の多少」に関連した複合問題が出てきたときに、スムーズにできなくなります。ですから、はじめは大変でも、できるだけ指は使わずに、暗算でできるように練習してください。

この「~より~個多い(少ない)数のもの」を発見するという問題は、あまり「ひとりでとっくん」の中には載っていません。近々「ひとりでとっくん5 数の多い少ない」の内容を改定する予定です。「数の多い(少ない)方」を求める問題、「どちらがいくつ多い(少ない)」かを求める問題、「数の違い」を求める問題など、順序立てて理解できるような内容にしていきますので、発売までしばらくお待ちください。

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