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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

言語 基礎13 話の内容理解1 順序と数

2007/07/06(Fri)
 今回は、話の内容理解の中でよく問われる「順序」と「数」について考えていきましょう。「話の内容理解 口頭問題集2」 の中に次のような問題があります。

 ウサギのピコちゃんが、かごを持って森に出かけました。森の道を歩いていると、リスさんに出会いました。リスさんはドングリを拾っていました。ピコちゃんが挨拶すると、リスさんはドングリを5個くれました。ピコちゃんはそのドングリをかごに入れてまた歩き出しました。
 次に会ったのはタヌキさんです。タヌキさんもドングリを拾っていました。ピコちゃんが挨拶をすると、タヌキさんはドングリを3個くれました。ピコちゃんはそのドングリをかごに入れました。また歩いていると、今度はキツネさんに会いました。キツネさんはブドウを採っていました。ピコちゃんはキツネさんに挨拶しました。でもキツネさんは「こんにちは」と言っただけで、ブドウをくれませんでした。そこで、ピコちゃんは、「ドングリとブドウを換えてくれませんか」とお願いしました。キツネさんはドングリ4個とブドウ2房を交換してくれました。ピコちゃんは2房のブドウをかごにしまいました。
 ピコちゃんが森の奥の方まで進むと、キノコがたくさん生えている場所に出ました。ピコちゃんはニコニコして「よーし、これでカゴいっぱいのお土産を持って帰れるわ」と言いました。

問1.ピコちゃんは何を持って森に行きましたか。(かご)
問2.ピコちゃんが出会った動物を順番に行ってください。(リス、タヌキ、キツネ)
問3.リスとタヌキは何を拾っていましたか。(ドングリ)
問4.ピコちゃんがお家に持って帰ったドングリは何個ですか。(4個)
問5.ブドウ1房は、ドングリいくつ分ですか。(2個分)

 この問題で難しいのは、問2の順序に関する問題と、問4、問5の数についての問題です。登場人物の行動であれば、一つ一つの場面において誰が何をしたのかを考えていればいいのですが、順序の理解ではそうはいきません。1場面の理解のほかに、初めに~して、次に~して、という場面と場面をつなぐ時間的な流れを把握しなくてはならないからです。そこには、文章を正しく聞き取る力と、記憶力が必要になります。
 さらに数の操作が入ると問題は難しくなります。問4では、はじめにリスさんからドングリを5個もらい、次にタヌキさんから3個もらったので、8個になっています。しかし、キツネさんからブドウをもらうためにドングリを4個渡したので、のこりは4個になってしまいました。数領域の問題では、2段階数が変化するお話を聞き、最後にいくつになるかを考える課題があります。それ自体でも難しいのに、この問題では、話の筋を追いながら、数の増減も一緒に考えていかなければならないので、その難易度はさらに上がっていきます。
 また、問5においては、ドングリ4個でブドウ2房と交換したので、ブドウ1房分はドングリ2個に当たる、という一対多対応の考え方を使わなくてはなりません。
 このように話の内容理解の問題であっても、順序や数などのいろいろな要素が入ってくることによって、問題がかなり難しくなってくるのです。最近の入試では、話の内容理解を基にしてそこから発展していく問題が、どの学校でも多く出題されています。これを克服していくためには、話の流れを把握して、それぞれの関係をきちんと理解できなくてはなりません。前回もお話しましたが、自分が登場人物になって考えていけるように心がけてください。

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