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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

言語 基礎12 話の内容理解1 登場人物とその行動

2007/06/29(Fri)
  「話の内容理解」は、幼児期の言語領域において最も重要な課題になります。これは、文字通り話を聞いてその内容を把握して、質問に答えていくというものです。「話の内容理解」は、小学校では「読解」につながっていきます。最近は子どもの活字離れなどの問題もあり、いかに読解力を育成していくかが注目されています。幼児期からきちんと「聞きとる」能力を身につけていくことが、「読解力」の基礎作りに役立っていくと思います。

「話の内容理解」には、次のようにいろいろな課題が出てきます。
  • 登場人物、登場人物の行動の理解
  • 数の理解
  • 順序の理解
  • 話と絵の異同
  • 善悪判断
  • 話の絵画化    など

 こぐまオリジナル教材「話の内容理解 口頭問題集1」 のはじめに、次のような問題があります。

 今日はアリの幼稚園の遠足です。みんな迷子にならないように列に並んで近くの野原に遠足に行きます。
 野原についてみんなで遊んでいると、テントウ虫の子どもたちがやってきて、「一緒に綱引きをしよう。」と言いました。アリもテントウ虫も小さいけれど、とても力持ちです。綱引きはなかなか決着がつきませんでした。けれど最後は、いつも綱引きの練習をしているテントウ虫が勝ちました。
 野原には小さい池があって、ザリガニとオタマジャクシが住んでいます。ミツバチはタンポポにとまって蜜を集めています。チョウチョはチューリップの花にとまっています。この野原には大きい動物はすんでいません。小さい生き物の天国です。

(問題)(解答)
問1誰の遠足ですか。(アリ)
問2綱引きに勝ったのは誰ですか。(テントウ虫)
問3池の中に住んでいるのは誰ですか。(ザリガニとオタマジャクシ)
問4タンポポの色は何色ですか。(黄色)
問5チューリップの花にとまっているのは誰ですか。(チョウチョ)

 この問題は、お話の中に出てきた「登場人物」についてと、登場人物が何かをしたり話したりしたこと、つまり「登場人物の行動」についての質問が主です。

 ここでの「登場人物」を見てみましょう。主人公は遠足に行ったアリたちです。それ以外に綱引きを挑んだテントウ虫、池の中にいるザリガニ、オタマジャクシ、花にとまっているミツバチ、チョウチョとたくさん出てきます。それらを理解するためには、場面をイメージ化することが最も大切です。アリの遠足やテントウ虫との綱引きの場面がありありと目に浮かんでくれば、これらの問いには、簡単に答えられると思います。

 前回の「お話づくり」の中でもその大切さをお話しましたが、「話の内容理解」においても、登場人物になったつもりになること、つまり感情移入する事が重要な要素になってくると思います。アリになりきって一生懸命に綱引きをしている場面を思い起し、池や花を見ているつもりになって、「きれいだな」と思うことができれば、お話の世界に入り場面が鮮明にイメージ化できるのです。

 「タンポポの色は何色ですか」と言う質問(問4)がありますが、こうした色を聞かれなくても、黄色い色鮮やかなタンポポが咲いて、そこに白いモンシロチョウが止まっている様子を思い起こせるといいですね。

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