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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

図形応用8 回転位置移動

2007/02/16(Fri)
 「回転位置移動」は、図形の領域ではなく、位置表象の領域に含まれるかもしれません。しかし、今回はこれまでに何度か回転図形を取り上げてきたので、その発展としてこの課題について考えてみることにしました。「回転位置移動」とは、下の(図1)のように図形が回転したとき、それぞれの部屋の中の形がどこに移動するのかを考える課題です。

が左の図から右の図の場所にくるように形を回しました。すると、お部屋の中の絵はどのようになりますか。鉛筆を使って描いてください。

 この問題では、左側の図形ではは右横にありますが、右側の図形では、左下になっています。そのことから、形全体がを中心にして、大きく右に1度回ったと考えられます。このときに部屋の中の形がどこに移動したかを推理して描いていくのですが、この問題を解いていくとき、ばらばらに形を描いていっては正確にできません。順番に、下からまたは上から、部屋の中に入っている形を描いていく方が、正しくできると思います。そのためには、左側の図形のどの場所が、右側の図形のどの場所に来ているのかを正しく捉えなくてはなりません。

 下から順に考えていく場合を考えていきましょう。そのためには、まず底辺を決めます。を頂点とした方が考えやすいので、左側の図形では、左の辺を底辺とします。これを分かりやすくするために、その部分に太線を引きます(図2)。そして、それが右の図ではどこにきているのかを考えます。の位置から考えると、底辺は右の辺になりますから、そこに太線を引きます。そして、底辺の列から描きはじめ、1段ずつ上にすすんでいくのです。

 この問題は「回転位置移動」の中でも最も難しい課題のひとつです。「回転位置移動」には、三角形だけでなく、方眼の描かれた四角形を回す課題などもあります。この練習には、「ひとりでとっくん89 回転位置移動」 を使うとよいと思います。この問題集には、(図3)のような厚紙でできたいろいろな形の方眼が載っています。この方眼におはじきを置いて、右や左に何度か回して、それぞれのおはじきがどの位置にくるのかを実際に体験させてください。そして、図形の中に描かれた方眼の数が少ない課題を繰り返し練習してください。その際、前述のように1つの辺を決めて、それを基準に一つ一つの形を描いていくようにしてください。


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