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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

図形応用 立体図形の構成

2006/09/15(Fri)
 これまで図形領域については基礎的な内容について取り扱ってきました。今回からはそれを元に応用的な課題に関して考えていきたいと思います。前回同様、夏季講習会中の問題を取り上げます。今回は立体図形の構成です。
 夏季講習会のペーパー課題の中に次のような問題がありました。

問  の中の8個の積木を、1個だけ動かしてできる形を下から選び、青い○をつけてください。

 正解は、(2)、(4)、(5)、(8)になります。この問題につきましては、しっかり答えられる子と、まったく意味がつかめない子と、非常にその差が大きく出ました。

 この差はどこからきているのでしょうか。1つにはこの課題はペーパーで行っている分、具体的な積木をイメージすることが難しいからだと思います。立体を平面で表していますから、ペーパーを見たときにそこから積木を積んだ場面がきちんと頭に浮かばなくてはならないのです。これができれば、比較的考えやすいのではないでしょうか。

 もうひとつは、積木構成がスムーズに行えるかどうかということです。この問題を考えていく際には、(1)~(8)の積木と見本の積み木(の中の積木)と比べて、どこの積木がなくなって、どこの積木が増えているのかを考えていかなくてはなりません。例えば、(2)は1個の積木を動かせばできますが、(1)は、2個の積木を動かさなくてはなりません。こうしたことがスムーズに考えられるかどうかがポイントです。そのためには、実際にたくさんの積木を積んだ経験が必要になってきます。この8個の積木の構成は、立体図形の構成の基本です。これを行なうときには、下の図のような基本形を作り、そこからいくつかを動かして作る方法を用います。ところが、この方法ではなく、一旦ばらばらにしなくはできない子がいます。つまり、基本形と新たに作る形との関連性が取れないのです。

 こうした問題を練習していく際には、遠回りのようですが、実際の積木を使って練習することが最もいいでしょう。8個の積木を2セット用意してください。まずは基本形を見本用と子供用の2つ作ります。子どもの見ている前で見本を1個~2個動かして変形します。その後、それと同じに積木を動かして子どもに作ってもらいます。再び基本形に戻して、今度は子どもに目をつぶらせて、その間に見本を1~2個動かして変形します。そして、子どもに目を開かせて、動かす積木の数を指示して、見本と同じ形を作らせてください。この課題は動かす過程を見ていないので、前より難しくなります。

 これらの課題がよくできるようになったら、「ひとりでとっくん18 8個のつみき」 を使って練習してください。この本の各ページには、8個の積木を組み合わせた形が描かれています。ページをめくるごとにつみきをひとつだけ動かしてできる新たな形があらわれます。それを見て次々に新しい形を作っていきます。

 こうした練習を十分に行うと、つみき構成の課題もスムーズにできるようになると思います。応用課題であっても、こうした基本練習の繰り返しが大切になってくるのです。

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