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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

図形基礎 同図形発見

2006/07/14(Fri)
 今回は、同図形発見について考えていきましょう。同図形発見は、図形の問題としては、基本的なものです。そしてそれには、次のような2つのパターンがあります。

 (1) 見本と同じ図形を発見していく場合
 (2) 見本と同じ絵を発見していく場合

 同図形発見ですから本来は (1) のように図形を用います。しかし、実際の入試問題では、 (2) のように絵を用いて考えていく場合が多くあります。それは、 (1) よりは (2) の方が難易度が高いからです。図形は線で囲まれているために、要素が比較的単純になるのですが、絵の場合はほんの少しの違いを問題にすることができるので、いくらでも難しくすることができるのです。したがって、同図形発見の課題については、 (2) のような絵による問題もきちんと克服していかなくてはなりません。どのようにそうした問題を考えたらいいか、具体的な例を挙げて説明していきたいと思います。
 例えば、次のような4つの中から、見本と同じものを発見して、を付けていく問題があるとします。


 正解はイですが、こうした問題を考えていく際には、他のものとしっかり比較しないうちにイだけを見てを付けるのは余り感心しません。もちろん制限時間内にこなさなくてはいけないというスピードの問題もありますが、このように一つだけを見て選んでしまうと、往々にしてよく似た偽物を選んでしまう可能性があります。
 これを避けるためには、まずよく似たものを2つくらい最後まで残しておき、それと見本をよく見比べて、どちらかを選ぶという方法を取るといいでしょう。上の例で言えばアとエはカタツムリの殻の模様が違うのでよくわかります。イとウはよく似ていますから、これを最終的な候補に残して、見本とそれぞれのものを比べて、違うところを発見していくのです。よく見るとウは、触覚が曲がっているのがわかるので、イが正解ということになります。
 このように同図形発見といっても、同じものを発見していくのではなく、見本の図形とどういうところが違うのかを発見していく課題です。つまり、異図形発見的な要素を持っているといえます。
 このように考えていくと、同図形発見で求められる能力は、何も図形的な要素ばかりではありません。二つのものの似ているところと違うところを発見していく「二者の異同」の考え方が必要になります。そのためには、いろいろなところに目を付けなくてはなりません。それは、形であったり、色であったり、材質であったりします。この同図形発見の場合も、絵の様々な部分に着目して比べていかなくてはなりません。一つのところで見つからなかったら、別のところを探しましょう。つまり、この場合も「観点を変えて考える」という論理的思考力が必要とされるのです。
 「ひとりでとっくん11 同図形発見」 の中には、上記 (1) の図形を使った難しい問題も含んで、様々な課題が入っています。それを使ってしっかり練習して下さい。練習する際には、正解でないものについて、どこが見本と違うのかを言語化させると、子どもがどこに目をつけているのかが良くわかり、効果的です。ぜひ試してみてください。

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