週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」春季講習会について 春の新年中児の学習
2006/03/09(Thu)
前回は、新年長児についてふれました。今回は、新年中児の春季講習会について見ていきましょう。新年中児の方は、新年長児の方と違い、まだ入試まで1年以上の期間があります。そこで、ここでは余りあせらずに、じっくりと学力をつけていくことが必要とされます。春季講習会では、新年長児の方と同様に生活体験に根ざしたものをテーマにして学習を行います。以下は、3日目に行なう予定の数の学習「ハイキング」のカリキュラムです。

・「遠足」に関する絵本を読む。
2.ハイキングごっこ
イ) 1日目に作った食べ物(粘土)をタッパーにきれいにつめ、バンダナで包む。
ロ) お弁当を持ってハイキングに出かけ、いろいろな模倣遊びを楽しむ。
ハ) 摘んできた花や果物などの数をしっかり数える。
3.いくつあるかな(計数)
・学習ボード上に描かれたチューリップやイチゴなどの絵を、指示された数だけシールを貼る。
4.運動
イ) 「アブラハムの踊り」
「バスごっこ」
ロ) 運動
サーキット運動
まず、1.の絵本を読み聞かせることで、今日の授業テーマを子どもたちに意識させます。
2.のハイキングごっこでは、前日の授業と関連を持たせると同時に、タッパーにつめる、バンダナでこま結びをするなど、手先の巧緻性に関連する課題をここで学習します。そして、「ハイキングに出かける」という目的意識を持たせて、室内のいろいろな場所に行ったり、模型の果物や花をもいだりして遊びます。
さらに、3.では2.の体験を基にして、数を口で唱えること(数唱)や、正確に数を数える計数の学習をじっくりと行います。ここでは、ボードにシールを貼ることによって、数の操作を頭の中に入りやすいように、表象化していきます。
最後は、体を動かす運動で終了します。表現活動や運動を通して、「2つの動作を一緒に行う」手や足なとの身体運動機能の協応動作ができるようにしていきます。
こぐま会では、新年中児(ゆりクラス)の授業は、1回の授業の中で、次のような二つの形態をとり、メリハリを持たせています。
- 「クラス全体での活動」・・・絵本読み、ハイキングごっこ
- 「個人での活動」・・・学習ボードを使った計数の理解、表現遊び、運動
普段こぐま会の授業を体験できない方も春休みはいい機会です。このようにしっかりと組まれたカリキュラムで行う事物教育、対話教育を実際に体験してください。