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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

春季講習会について 春の新年長児の学習

2006/02/23(Thu)
 今回は、いつもの領域別の学習方法から離れまして、春の学習についてふれていきます。
 もうすぐ春休みです。春は進学、進級の季節です。特に、この秋に受験を向かえる現在年中児の方は、この春休みの時期にこれからの応用学力の育成のための土台を築いていかなくてはならない時期です。普段なかなか時間をとって行なえなくても、幼稚園が休みのこの時期には、じっくりと学習に取り組めると思います。こぐま会でも、春季講習会の中で、平常授業とは違って、できるだけ子どもたちの生活体験に根ざしたものをテーマとして取り上げて学習を行なっていきます。

 以下は、2日目に行なう予定の数の学習「イチゴ狩り」のカリキュラムの一部です。

  • お父さんと太郎君、花子さんの3人でイチゴ狩りに行きました。太郎君は5個、花子さんは3個とりました。二人の数を合わせるといくつですか。(数の合成)
  • さらに、お父さんは4個とりました。3人の数は全部で何個になりますか。(3つの数の合成)
  • 12個のイチゴを3人でけんかしないように分けました。ひとり何個になりますか。(数の等分)
  • 10個のイチゴをお父さんと太郎君の二人で分ける時、お父さんの方が2個多くなるようにすると、いくつといくつになりますか。(数の分配)
  • 太郎君が6個、花子さんが4個取ったとき、同じ数にするには、太郎君は花子さんに何個あげたらいいですか。(数のやりとり1)
  • 太郎君と花子さんが5個ずつイチゴを持っています。太郎君が花子さんにイチゴを1個あげると花子さんの方がいくつ多くなりますか。(数のやりとり2)
  • ・・・・・

 授業はこの後、数の増減や数の構成など続きます。

 この授業は、これをペーパーだけで学習していくのではなく、はじめに子どもたちが興味を持つように、イチゴ形の消しゴムを使って、それを操作していくところからはじめます。数の合成であればイチゴの消しゴムをそれぞれが取った数だけ取り、等分であればトランプを配るようにお皿を3つ用意して、それにひとつずつ配っていきます。このように具体物の操作を通して、数の基本を身につけていきます。
 そして、その後に「5と4を合わせるといくつですか」「7から3とるといくつになりますか」などの暗算による数の操作を行ないます。その後で、ペーパーによるまとめを行ないます。
 このように具体物―暗算練習―ペーパートレーニングといった一連の流れに沿って、子どもたちの頭の中に自然に今日の課題が入っていくように、授業を工夫しています。はじめからペーパーを使ったのでは、子どもたちが試行錯誤をして考える場面がありません。ああでもない、こうでもないといろいろな方向から考えていくところから、子どもたちは発達していきます。
 これは数に関する授業ですが、春季講習会ではこれ以外に位置、未測量、図形などそれぞれの領域でテーマを決めて学習を進めていきます。

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