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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

その4 未測量の応用 逆対応の考え方

2005/06/02(Thu)
(逆対応の問題)
 *長さの違うロウソクが5本のロウソク立てに立ててあります。
 このろうそくは、はじめ同じ長さでしたが、風が吹いてきたりして、順番に消えてしまいました。

(1)この中で一番長い時間燃えていたロウソクに赤いをつけて下さい。
(2)この中で一番すぐに消えてしまったロウソクに青いをつけて下さい。
(3)この中で4番目に長い時間燃えていたロウソクに緑のをつけて下さい。

 これは、「逆対応」という考え方です。(1)の一番長い時間燃えていたロウソクは、長い時間燃えれば燃えるほどロウソクは短くなるので、一番短いロウソクが正解になります。このように一番長い~と言っているのに、一番短いものを探さなくてはならないため、これを逆対応の考え方と呼んでいます。この問題では、(1)や(2)の課題は、生活感覚で理解できますから、比較的簡単に選ぶことができます。ところが、(3)についてはそう簡単にはいきません。正解は、4番目に短いロウソクなのですが、よく考えて答えないと、設問の中に「4番目に長い時間燃えたロウソク」とありますので、思わず4番目に長いろうそくを選んでしまいます。この問題を正しく答えるためには、5本のロウソクをもう一度見渡して、1本ずつ「これが1番長い時間燃えたロウソク」、「これが2番目に長い時間燃えたロウソク」・・・のように1つずつ長い時間燃えた順に順序を追って考えなくてはなりません。したがって、かなり思考力を問われる問題です。

 もし、これが「4番目に長いロウソクはどれですか。」となっていれば、これは順思考の課題です。ところが、これは逆思考の考え方です。逆思考はこのように時間的順序や思考の流れに沿って考えていくのではなく、それをいったん置いておいて、全体をさらに別の観点から捉え直さなくてはなりません。これが幼児にとってはなかなかできづらく、難しさの原因になっているのです。しかし、こうした逆思考の考え方は、思考力を鍛錬していく上ではとても重要です。幼児が知的自己中心性から脱却して、論理的思考力を持っていく上では、このように逆から物事を捉え直していくことはなくてはならないものです。

 逆対応は、このロウソクの問題以外に、初め同じ量あった5つのコップの水を、それぞれ違う量飲んだときの残った水の量と飲んだ量の関係、5つのジュースを違う量コップに移したときの残ったジュースと移したジュースの関係など様々な問題が考えられます。これについては、「ひとりでとっくん 37 逆対応」 に載っていますので、これを使ってしっかり練習して論理的思考力を高めて下さい。

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