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週刊こぐま通信
「最新入試問題で求められているものは何か?」

言語:様子を表す言葉と常識(立教女学院小学校)

第51号 2006/07/21(Fri)
齋藤 洋
言語:様子を表す言葉と常識(立教女学院小学校)
※先生が言ったものを下の絵の中から選んでをつけてください。
  • 「にっこり」している絵にをつけてください。
  • 「きらきら」しているものにをつけてください。
  • 「ぽっかり」と浮かんでいるものにをつけてください。
  • 「そよそよ」と吹く風にをつけてください。
  • 「のそのそ」と歩くものにをつけてください。など

 立教女学院の入試では、言語の領域である「様子を表す言葉」がよく出題されます。上記の問題は2006年度のものですが、その言葉は形容詞ではなく、擬態語・擬音語などです。
 正解は上から順に「静かに笑っている子」「星」「雲」「風にそよぐススキ」「亀」でした。特に問題はなさそうですが、お子さまに「この言葉を聞いて、何のことか分かる?」となぞなぞのように問いかけてみてください。驚かされる答えが返って来るかもしれません。実際つい最近問いかけてみた時に、「きらきら」は「爪」、「そよそよ」は「扇風機」と答えた子がいました。選択肢があれば問題ないのかもしれませんが・・・。
 常識の範疇に入るものですが、我々大人が当たり前に思っている言葉は、今の幼児の生活の中では決して当たり前ではないようで、特にTVの影響でかなり変わった理解をしている場合もあるようです。日頃から絵本などでしっかり印象づけてあげる必要があるでしょう。

 擬態語・擬音語は、ものの状態、動作を表す言葉です。文字に表れている通り、擬態語は見えている様子、擬音語はその音から来ている表現方法です。
 全く動いていない状態であっても、音がしない状態であっても、様子を表す表現はいろいろあります。特に動作や変化に関しては、その種類と程度によってさまざまです。
 特に日本語は、擬態語・擬音語が多いと言われています。人や生き物の動きはもちろん、表情についても、また風や雨、雪などの自然の表現についても、古来から多くの表現が伝えられてきたからでしょう。それらが幼児の世界でも多く使われています。

 事物を見た感じ、触った感触、音からのイメージなどを正確に言葉で表すことはとても難しいことです。それを擬態語・擬音語などで、印象的に表現する方法は人の知恵です。小学校入学後の国語学習の前提として、このようなさまざまな言葉の重要さを感じ、またある程度正確に理解をしておくことはとても大切です。
 またこの出題は、言葉についての「子どもに対する親の関わり方」を見る課題とも言えそうです。

 立教女学院に限らず「様子を表す言葉」はさまざまな学校の入試に登場しています。またこのように独立した形ではなくとも、「話の内容理解」の中にはたくさん含まれています。お話を聞く際に、様子を表す言葉を正確につかみとることができれば、そのお話のひとつひとつの場面をより印象的にとらえることができるはずです。しっかり身につけましょう。

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