ページ内を移動するためのリンクです
MENU
ここから本文です
週刊こぐま通信
「学習相談Q&A」

【質問69】

2007年10月19日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

 入試まで残りわずかですが、最後の点検として何を注意したらよいのでしょうか。

 都内の入試まであと10日余りとなりました。毎日最後の点検に追われていると思いますが、最近の傾向を踏まえ、これから何をどう点検したらよいのか、お伝えしましょう。まず最初にお伝えしなくてはならないのは、学校によって問題の難易度はありますが、やさしいから安心で、難しいから心配だということはありません。やさしければ平均点は上がりますので、1問を落とすことが大きく響きます。また、難問が多く平均点がかなり下であれば、1、2問落としても、そのことで結果に大きく響くことはありません。過去の経験でも、そうしたことはたくさん見てきました。その意味で、小学校入試対策の鉄則は、難しい問題で得点する前に、易しい問題でミスをしないということです。入試を控えたこの時期に、問われている内容が理解できない子はほとんどいません。それでもテストをすると得点に開きが出るのは、聞き取りミスをしたり、問題の意図が予想していたものと違ったような場合に動揺するからです。そこが合否の分かれ目と言ってしまえばそれまでですが、入試直前になって難しい問題を繰り返し行っても、自信を失うだけでよい結果につながりません。それよりも、自分はできるという自信をつけて入試を迎えることのほうがどれだけ効果的か、説明するまでもありません。その意味で、入試直前は、基本問題の聞き取りを徹底させてください。時間がなければ、問題だけを読み上げ、意図が捉えられたか点検してください。本人に「今の問題はどんな問題だったの」と聞き返し、説明させれば良いのです。

昔からよく出されるパターンの問題も確かに消えたわけではありませんが、ほとんどの学校で、問題作りに工夫を凝らしています。ですから、実際の問題は、「はじめて見た問題」と子どもには映るはずです。その初めての問題に、くらいついていくためには「考え方の基本」をしっかり身につけておかなくてはなりません。最近求められる考え方の基本には、ある傾向があります。それは次のような点です。

  • 話の内容理解の中で数の問題をはじめさまざまな領域の問題が問われる
  • そのため数においては、ある程度の暗算能力は求められる
  • 時間的順序を逆にして考えたり、途中の数が抜けた「逆思考」の問題が増えている
  • コミュニケーション能力がいたるところで求められている
  • 一場面を使った数の総合問題の中で、実際に描かれている物の数に即した問題が出た後、お話によって場面を変えてしまい(当然数も違ってくる)その上で質問をすることが増えている
  • 高学年で学ぶ「文章題」で求められる論理的思考力の基礎を、ゲーム化したような問題を通して問いかけている

こうした新しい形式の問題に慣れておかないといけません。パターン化された昔からある問題は、ほとんど出されないと考えたほうが良いと思います。

PAGE TOP