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週刊こぐま通信
「学習相談Q&A」

【質問55】

2007年8月29日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

 数には強いのですが、図形問題が苦手のようです。入試まで2ヶ月間しかありませんが、最後のまとめとして、どんな課題に注意して練習したら良いのでしょうか。

 小学校入試において、出題される問題を分析していくと、一番多いのはやはり「数」の領域の問題です。その次に多いのが「言語」や「図形」領域の問題ですが、どうしても、将来の算数科につながる内容が入試対策の中心にならざるを得ません。また、数と違って、図形はいろいろな問題が工夫されているため、パターン化した練習が難しいということもあります。そのため学習の進め方が数ほどはっきりしていないのも事実です。また、どちらかというと、男の子より女の子のほうが、苦手意識を持っているようです。女の子の遊びには、図形的要素を含んだ遊びが少ないのが理由のひとつかもしれません。

 学校によっては数の問題がほとんど出されず、図形問題が中心というところもありますので、受験される学校の過去の傾向を調べておく必要があります。入試で出される図形問題をどのように整理したら良いか。いろいろな視点で分ける方法がありますが、私たちは指導する立場上、易しい課題から難しい課題に学習内容を系統づける必要があるため、大体次のような順序で指導しています。

(1) 基本図形の理解 <平面図形・立体図形>
(2) 図形模写
(3) 同図形発見
(4) 図形構成
(5) 図形分割
(6) 対称図形
(7) 重ね図形
(8) 回転図形

 この中で入試問題としてよく取り上げられるのは、「図形構成」「図形分割」です。この2つの課題が図形に関する入試問題の半分近くを占めています。「図形構成」と「図形分割」は表裏一体の関係ですから、対策としては、三角パズルを中心とした「図形構成」をトレーニングするのが良いと思います。また、入試問題の中で難しく、最近よく出されるのは、「対称図形」「重ね図形」「回転図形」の三つですから、その対策は十分にとる必要があります。

 また、昔から図形問題の定番であった、「図形模写」や「同図形発見」の問題は、最近はあまり多くは出されませんが、形を変えてまた復活の兆しが見られます。特に図形模写については「ひし形がどれだけ描けるか」という昔よく出された課題から、「立体物がどれだけ描けるか」という課題に変わって出題されています。子どもの理解力が高まったということ以上に、ものの見方をどう育てるかという視点が加わってきた結果だろうと思います。そうした意味でも、立体物の模写はよく練習しておいてください。

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