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週刊こぐま通信
「学習相談Q&A」

【質問48】

2007年7月27日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

 入試問題を分類する方法はいろいろあると思いますが、こぐま会で入試問題を分析する際に用いる領域の中で、「位置表象」に関する問題が苦手のようです。どんな問題を、どこまで学習しておけば良いのか、アドバイスをお願いします。

 位置表象は、空間認識を育て、図形教育の基礎を育てる領域ですが、入試問題の観点から見ると、数や図形の領域と違って、それほど多く出される領域ではありません。しかし、出題されるとかなり難しい問題となる可能性が高い領域です。どんな問題が良く出題されるかというと、大きく4つの柱にまとめることが出来ます。

  1. 右手 - 左手に関する問題
  2. 四方からの観察
  3. 方眼を利用した問題(位置の対応・方眼上の位置など)
  4. 移動に関する問題(すごろく・方眼上の位置移動・地図上の移動など)

 それぞれの課題には、独特の難しさがありますが、位置表象の課題を解くポイントは、「左右関係」をどこまで深く理解できるかにあります。難しい課題の多くは、この左右関係の理解が絡んでくる問題です。例えば、四方からの観察や地図上の移動は、自分から見た右・左だけでなく、自分以外の観点に立って右・左を判断しなくてはなりません。

 こぐま会の基本クラスでは、こうした入試問題で問われる能力を育てるために、学習の順序を踏まえて、次のような内容で学習単元を考えています。

  1. 上下関係の理解
  2. 前後関係の理解
  3. 左右関係の理解(右手左手・地図上の移動)
  4. 上下前後関係の理解(方眼上の位置及び移動)
  5. 前後左右関係の理解(四方からの観察)

 生活空間における基本的な位置関係を、上下・前後・左右と考え、まずそれぞれの位置関係を学びます。その上で、そうした位置関係の組み合わせとして、上下左右関係・前後左右関係を学んでいきます。このような系統で学習内容を設定していくと、前述したように、「左右関係の理解」がこの領域のポイントになるということがお分かりいただけると思います。地図上の移動や四方からの観察の問題の間違いの多くは、自分以外の観点に立った「左右関係の理解」が不十分なところから起こります。この点を繰り返し練習することによって、この領域の難問は克服できるはずです。

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