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週刊こぐま通信
「学習相談Q&A」

【質問47】

2007年7月27日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

 夏季講習会で行った「銀行ゲーム」は、最近はやりの「交換」をテーマとした学習内容の一つだと思いますが、どんな点に注意して学習したら良いのでしょうか。

 夏季講習会で学習した「銀行ゲーム」は次のような内容でした。

  • くまのコイン1枚で うさぎのコイン2枚と交換できる
  • うさぎのコイン1枚でかめのコイン3枚と交換できる

この約束をふまえて、いろいろと交換する
例1. くまのコイン3枚でうさぎのコイン何枚と交換できるか
例2. かめのコイン9枚でうさぎのコイン何枚と交換できるか
例3. くまのコイン1枚でかめのコイン何枚と交換できるか
例4. かめのコイン12枚でくまのコイン何枚と交換できるか

 この問題は、一対多対応や包含除の考え方を応用した問題です。くまのコインとうさぎのコインの関係は一対二対応であり、うさぎのコインとかめのコインの関係は一対三対応ということになります。また、うさぎのコインをくまのコインに交換したり、かめのコインをウサギのコインに交換したりするのは、割り算の考え方につながる「包含除」の問題となります。また、くまのコインをかめのコインに交換したり、かめのコインをくまのコインに交換したりする場合は、うさぎのコインを仲立ちとした「置き換え」をしなくては解けません。このように見てくると、シーソーの「つりあい」とまったく同じ考え方が要求されていることがわかります。

 ではこの問題はどこが難しいのでしょうか。子どもの様子を踏まえてお伝えしましょう。
 まず、くまのコインをうさぎのコインに交換したり、うさぎのコインをかめのコインに交換する問題は、まったく問題なく解けます。しかし、その逆である、うさぎのコインをくまのコインに交換したり、かめのコインをうさぎのコインに交換する、包含除の考え方を使う問題になると間違える子が出てきます。つまり、逆から問われると難しいという現象がここでも見られます。

 さて一番の問題は、くまのコインをかめのコインに交換したり、その逆であるかめのコインをくまのコインに交換する「置き換え」を伴う交換で、まだ全員がすぐにできるわけではありません。くまのコインとかめのコインとの関係を、うさぎのコインを仲立ちとして考えることが難しいのです。しかも、間違えが目立つのは、かめのコインをくまのコインに交換する場合です。たとえば、「かめのコイン12枚で、くまのコイン何枚と変えてもらえるか」という問題では、「4枚」と答える子が半数以上います。かめのコインを3枚ずつまとめ、うさぎのコインに交換することはすぐに出来るのですが、そこで出た数はうさぎのコインのはずなのに、くまのコインと間違えてしまうのです。逆から問う問題の難しさがこの問題でも見られます。そのあたりをしっかり練習することが、交換の問題に自信をつけるポイントだと思います。

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