週刊こぐま通信
「学習相談Q&A」【質問37】
2007年6月22日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。 先週学習した「線対称」は、図形領域の中では、難しい課題のひとつだと聞きますが、入試対策として、どんな点に力を入れて学習したら良いのでしょうか。

折り紙を使っての課題は、設問の形式として、あらかじめ切ってあるものを開いたときの形を選択肢の中から選ぶものと、指定された形を自分で実際に切るものがあります。後者のほうは、個別テストでないとできない質問の形式ですが、切り方だけを問うものであればペーパーでもできる課題ですから、折り紙を使って切る練習をしたあとで、ペーパーでも練習しておく必要があります。
選択肢の中から選ぶ問題は、かなり難しい切り方でも、形に特徴がありますから、2つ折りでも4つ折りでもたぶん問題なく解けると思います。しかし、自分で実際に切ることになると、かなり難しい課題になります。どんな点が間違いやすいのか、典型的な2つをお伝えしましょう。
- 同じ形を切る場合でも、2つ折りと4つ折りでは違う切り方をしなくてはならないのに、同じ切り方をしてしまう。例えば、真ん中に丸を一つ切り抜く課題で、2つ折りの場合の切り方を4つ折りでしてしまうと、丸が2つできてしまう・・・・という結果になってしまう。
- 切り方がわかっていても、切る場所を間違えてしまうと、求められている形を切ることができない。特に4つ折りの場合に間違いが見られる。
こうしたことがあるためか、最近では同じ切り方を違う場所でした時、どんな形ができるのか、判別をさせる問題が出始めています。例えば4つ折りの場合、折り紙の中心に丸を一つ切り抜く方法を、違う場所でしてしまったとき、どんな形ができるのかがそれに当たります。切る場所と切り方をしっかり身につけておくことが、こうした問題の対策として必要です。

もうひとつの課題である、半分に折った時ぴったり重なるように描く問題は、2つのタイプがあります。そのひとつは方眼を使って描く場合です。この場合は、それぞれの升目に描いた形がどこで重なるかという問題としても出されます。もうひとつは方眼を使わないで、フリーハンドで描く問題です。ハートの半分やクリスマスツリーの半分を描かせる問題がある学校で出題されました。
ぴったり重なるように描く問題の場合、斜めの線の向きが変わったりする点が難しいわけですが、この点については、重ね図形でも同じことが問われます。重ね図形には2つの重ね方がありますが、難しい半分折りの重ね方が、対称図形の「ぴったり重なるように描く」課題と共通しています。ですから、関連付けて学習すると効果的です。