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週刊こぐま通信
「学習相談Q&A」

【質問19】

2007年3月23日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

 シーソーによる三者関係の推理は理解できましたが、先週雙葉クラスで行 った、言葉による三者関係の理解がほとんどできません。どのように練習したら良いのか教えてください。

 シーソーは、「重さくらべ」のひとつとして取り上げる課題ですが、見方を変えれば、「関係推理」の問題でもあるわけです。三者関係の推理を基本としながら、最近では四者関係や五者関係の推理まで出題されています。三者関係はすぐに理解できても、四者関係になるとかなり難しくなります。関係が複雑になれば、それだけ難易度が上がるからです。

 入試における「関係推理」のもうひとつの典型が、「言葉による三者関係の理解」です。シーソーによる関係推理は、具体物であれペーパーであれ、実際の場面を見ることができますが、言葉による関係推理は、お話を聞いただけで判断するわけですから、場面を視覚的に確認するわけには行きません。しかも、最近の入試では、「話の内容理解」の中における質問のひとつとして、この関係推理の設問が入り込んでいます。

 お話の中身としては、もちろん重さ比べもありますが、じゃんけんの勝ち負けであったり、かけっこの順番であったり、家からお店までの距離の比較であったり、比べて順番を問うものであれば、何でも課題になりうるということです。どんな問題があるか、典型的な問題を紹介しましょう。

 メガネをかけた二郎くんは、花子さんより背が高い。二郎君は太郎君よりは背が低い。一番背が低い人に赤い丸をつける。(東洋英和)

 ウサギとキツネとリスでかけっこをしました。ウサギは「キツネさんに負けちゃった」と言い、リスは「初めてキツネさんに勝っちゃった」と言いました。
 今のお話で、一番負けたのは誰ですか。その動物に×をつけてください。
 また、2番目に勝ったのは誰ですか。をつけてください。(雙葉)

 こうした問題の難しさは、比べた結果をお話だけで理解し、三者の関係を考えなくてはならない点にあるのです。ですから、こうした問題が苦手な子は、まず比べた結果が視覚的に判断できるように、カードやペーパーを使った練習をすることが大事です。しかし、実際の試験では、それができませんから、いずれは、話だけを聞いて判断させなくてはなりませんが、最初のうちはそうした方法をとるしかありません。具体的な場面を踏まえて考えさせることを十分した後、話だけで判断させるわけですが、この言葉による関係推理の問題は、状況の説明の仕方と、設問の立て方の組み合わせで、難易度が違っていきます。
 たとえば、今紹介した東洋英和の問題についていえば、花子<二郎<太郎と言う関係を次郎君を中心に状況説明をしているのですが、この説明のしかたには、いくつかの述べ方があるはずです。

(1) ~より高い、~より高いと順に説明する。
(2) ~より低い、~より低いと順に説明する
(3) 真ん中の二郎君を中心に、~より高いけど~より低いと説明する(今回の英和の問題はこのパターン)

同じ場面でありながら述べ方は、このように違います。同時に、設問も

(1) 背の高い順に答える
(2) 背の低い順に答える
(3) 2番目を答える

とさまざまです。

 「~より高い、~より高い」と説明されれば「高い順」はわかりやすいし、「~より低い、~より低い」と説明されれば「低い順」もわかりやすいはずです。しかし、「~より高い~より高い」と説明されて「低い順」を聞かれると、ちょっと考えなくてはわかりません。入試でよくあるパターンは、「~より高いけど~より低い」と言うように、真ん中になるものを基準に説明し、その上で、低い順や高い順を聞くのです。

 このように、状況の説明の仕方と設問の仕方の組み合わせで難しかったりやさしかったりしますので、その点を考慮し、やさしいところから練習するのが良いと思います。

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