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週刊こぐま通信
「何をどう学習したらよいのか」

【質問6】

2007年12月14日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

昔からある「仲間はずれ」はよく知っていますが、それ以外にも分類に関する課題がいろいろあるようです。どんな内容をどんな順序で学習すればよいのでしょうか。

 「仲間はずれ」や「仲間集め」は、以前は入試でもよく出されていた問題ですが、知能ワーク的なパターン化された問題のため、最近では出されることは少なくなりました。しかし、分類に関する課題はそれだけでなく、いろいろあります。たとえば「二者の異同」「私は誰でしょう」「観点を変えた分類」などがそれにあたります。もともと「分類」課題は、集合数の考え方の基礎として重視しているもので、物事の共通性をどう発見するかが一番大事な課題です。そのため、分類で扱う事物は、図鑑的な知識が必要な動物や植物が中心ではなく、子どもが日常触れられる、生活用品を題材にする入試問題がほとんどです。文房具類や台所用品、食器類などがよく使われます。そのため、ひとつひとつの物についての理解が深まらなければ、共通項を探すこともできません。分類課題の基礎は、生活用品の名称や用途・材質等についての理解を深めることが大事です。私たちの教室での授業もそこから始めています.ペーパーやカードを使う前に、本物を使って理解を深めることに力を注いでいます。その上で、次のような課題に取り組んでいます。

  1. 二つのものを比べて似ているところと違うところを説明する(二者の異同)
  2. たくさんあるものの中から共通なものを探し出す(仲間集め)
  3. 生活用品の特徴を2~3聞き、それが何かを判断する(私は誰でしょう)
  4. 5つのものの中から仲間はずれを探し、その理由を説明する(仲間集め)
  5. 同じ生活用品を使い、観点を変えて分類する(観点を変えた分類)

前述したように、分類の課題は、ものの共通性をどう捕らえるかが重要ですから、たとえば「仲間はずれ」の場合、仲間はずれになるものを探すことに意味があるのではなく、仲間はずれを取り出した後の、残ったものにどんな共通性があるかをしっかり言語化できなくてはいけません。子どもは、仲間はずれとして取り出したものの特徴を言いがちですが、それでは正解になりません。「残ったものは~の仲間だけど、これ(取り出したもの)は~だから・・・」というような説明ができれば良いと思います。

また、同じ生活用品を違った視点で仲間集めする「観点を変えた分類」は、視点を変えて物を見るという意味で、論理的思考力の基礎づくりには、とても大事な内容です。形・大きさ・用途・材質などいくつかの観点が考えられますが、違った視点で共通性を探すことは、柔軟な思考を育てる良いチャンスです。

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