週刊こぐま通信
「子どもはどこでつまずくか」(45)指示の聞き取りが合否を分ける
2009年10月16日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。【質問45】
理解していながら、テストになると点数につながらなくて悩んでいます。最後の対策として、どんなことに気をつけたら良いでしょうか。
理解していながら、テストになると点数につながらなくて悩んでいます。最後の対策として、どんなことに気をつけたら良いでしょうか。

- 時間内にできない
- 正解しているのに、ちらっと見えた隣の子の答えに動揺し、書き換えてしまい間違える
- 三角で答えを描くところを、丸で描いてしまう
- 青のクーピーで描くべきところを、赤で描いてしまう
- 例えば「みかん1個を2人で食べる」というところを、「ひとりがみかん2個食べる」というように聞き間違えてしまう
- ふたつの指示が同時に出された場合、印を逆につけてしまう
こうした間違いの多くが、聞き取りミスに起因しています。小学校の入試は、自分で問題を読んで答えるのではなく、すべての質問は口頭かテープで行われますので、1回の指示でしっかり理解できるかが点数につながるかどうかの分かれ道になります。
聞き取りの指示を間違える原因は、聞く態度の問題ではありません。しっかり聞いていながら、聞き間違えるのはどうしてでしょうか。
- 出来不出来を心配し相当気持ちの上で追い込まれていると、迷いが生じ、しっかり聞きとれない
- 問題を見たとたんに、自分で設問を考え、思いこんでしまう
- 家庭学習で難しい問題を繰り返しやり過ぎたため、質問の意図をすべて難しいものと受け止めてしまう
- はじめてみた問題に接したとき、「やったことのない問題。困った」と思った瞬間、心理的に聞き取りができなくなってしまう
以上のような問題が複雑に絡み合って、落ち着いて聞けない心理状態が一番の原因だと思います。そのために、最後のまとめの学習において以下のようなことを実行してください。

- 出来 - 不出来に敏感になりすぎないよう、間違ったとき厳しく叱りとばさない。それよりも、出来たときにしっかり褒めてあげる
- 難しい問題や時間が短い問題の場合、全部できないこともあることを実際に経験させておく
- 隣の子の解答が気にならないよう、自分の答えが一番正しいという意識を植え付ける
- 受験する学校が、実際の試験でどのような筆記用具の使い方をするかを調べ、それに合った練習をする。1色ならば形に気をつけ、複数色使う場合は、まず色の指示に気をつけた上で形にも気をつけるよう伝え、練習する
- いかに自信を持って試験に臨むかが大事である。そのため、入試直前は基本的な事項の理解、基本的なものの言い回し等をもう一度確認する為に、基本となるやさしい問題に取り組ませる
- 各領域の典型的な問題を見せ、子どもに質問内容を考えさせる。自分が先生になったつもりで質問内容をつくらせることによって、問題の意図を本当に理解しているのか確認をする