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週刊こぐま通信
「子どもはどこでつまずくか」(14)

単位の考え方は大事です

2009年2月20日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。

【質問14】
 長さ比べの学習で行った、マッチ棒何本分、リング何個分の長さ・・・といった単位の考え方がまだ十分理解出来ていないようです。単位についての考え方は小学校入試でも出題されるのでしょうか。

 長さに関する単位は小学校2年生以降、cm、mm、m、kmなどを学習します。これは「普遍単位」といって世界中どこでも通用する単位ですが、それがそのまま小学校入試で出されることはありません。普遍単位の考え方に到達するまで、単位の考え方は次のような段階を踏んで学んでいきます。

1. 直接比較 比べるものを直接比較する
2. 間接比較 あるものを仲立ちにして、比べる
3. 個別単位 あるものを1単位として、それがいくつ分あるかを考える
4. 普遍単位 世界どこでも通用する単位

小学校入試では、1~3までの課題は既に出題されています。個別単位に関する課題としては次のような問題が出されています。

2003年 田園調布雙葉小学校 広さ比べの問題
図のような包含の升目が赤と黄色に塗られていて、広い方にをつける

2007年 早稲田実業学校初等部 方眼におかれた鉛筆の長さ比べ
方眼にかかれているいくつかの鉛筆の長さを比べ、2番目に長い鉛筆にをつける。

2008年 田園調布雙葉小学校 量の比較の問題
水差しやお鍋の中の水を、違う容器に移した絵が描いてある。
  • 2番目にお水がたくさん入っていたものに、青いをつけてください。
  • 2番目にお水が少なく入っているものに、赤いをつけてください。

物と物を比較するということは「関係付け」の最も基本となるものですが、個別単位の考え方につながる「コップ何杯分の鍋」や「方眼何個分の広さ」などという考え方は、生活や遊びの中で実際に体験してみないと身につかない発想だと思います。普段の生活の中でものを比較する方法として、あるものを仲立ちにしたり、あるものを1単位と考え、それを基準にして比べるという経験をたくさん持たせてください。その上で、ペーパーでのトレーニングは意味があると思います。

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