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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

gacco通信講座 第2週が配信されました

第523号 2016/3/18(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 3月9日から始まった通信講座「幼児教育に新しい風を」 では、16日から第2週目の講座8回分が配信されました。今回は、次のようなテーマでお伝えしています。

第2週
2-1. 未測量で学ぶこと
2-2. 未測量授業の実際
2-3. 位置表象で学ぶこと
2-4. 位置表象の授業の実際
2-5. 数の学習はどうすべきか
2-6. 数の授業の実際
2-7. 図形のセンスを磨くために
2-8. 図形の授業の実際

第1週目は、KUNOメソッドの3つの教育理念について、詳しくお伝えしましたが、いよいよ今回からは具体的な内容についてお話しいたします。幼児期の基礎教育に必要な学習内容を解説したもので、今回は6つある領域のうち、「未測量」「位置表象」「数」「図形」の4つについて述べています。特に、それぞれの領域の「授業の実際」をよくご覧ください。私が、ペーパー主義の教育では受験対策にもならない、と言ってきた理由がわかっていただけると思います。教え込みのペーパートレーニングでは、「自ら考える力」は育たないことは、誰もがわかっているはずです。しかしペーパートレーニングに集中してしまう最大の理由は、どうやって「幼児期の考える力を育てる教育」を行ったらよいのかがわからないからにほかなりません。子どもたちがものごとを理解していく道筋にあった指導を行うのが教師の仕事のはずなのに、ペーパー問題ができなければそれに×をつけ、「家でしっかり練習してきなさい」・・・では、一体教師の役割とは何なのでしょうか。チェックするだけならば、専門的な素養は何も必要ありません。学習の道筋を明らかにし、壁を乗り越える手立てを具体的に明らかにすることこそが、指導者の役割のはずなのに、それができない受験指導者が大勢いることが、受験教育をゆがめている最大の原因です。そして、「そうすることが受験対策だ」と思い込まされているからこそ、受験勉強は特別な教育・・・となってしまうのです。しかし、受験対策であろうとなかろうと、学校側が求めている能力は、テクニックで問題をこなす能力ではなく、しっかり考えて自分で答えを導き出す能力です。その「考える力」は、今回紹介した「事物教育」「対話教育」でこそ育てることができるのです。

1週目の講座を見ていただいた方から、貴重な投稿意見を頂きました。皆さまのご意見から学ぶことがたくさんあるように思います。特に、特別支援教育に関わりのある方からのご意見は、遠山啓氏がそうであったように、幼児教育とのつながりがあり、こぐま会の教材もそうした方々にたくさん使っていただいている(特に「お話づくりカード」)ことを思うと、私としても大変な励みになります。幼児期の教育がすべての教育の基礎であることは間違いありませんし、その方法は、あらゆる学年に有効な方法だと思います。その意味で、KUNOメソッドの教育法が、さまざまなところで生かされていくことを願っています。


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