ページ内を移動するためのリンクです
MENU
ここから本文です
週刊こぐま通信
「室長のコラム」

いよいよドコモgaccoにて、通信講座が始まります

第521号 2016/3/4(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 3月9日より、ドコモgaccoにて、「幼児教育に新しい風を」 と題した通信講座が始まります。この講座は4週間30回にわたり行われます。毎週6~8本ずつ配信される映像で「KUNOメソッド」の内容と方法を学んでいただきます。その内容は次のような構成になっています。

第1週 (3月9日15時公開)
1-1. 今幼児教育が注目されている
1-2. KUNOメソッド 3つの教育理念
1-3. 教科前基礎教育とは何か
1-4. 事物教育はなぜ必要か
1-5. 対話教育のめざすもの
1-6. 6領域指導の内容
第2週 (3月16日15時公開)
2-1. 未測量で学ぶこと
2-2. 未測量授業の実際
2-3. 位置表象で学ぶこと
2-4. 位置表象の授業の実際
2-5. 数の学習はどうすべきか
2-6. 数の授業の実際
2-7. 図形のセンスを磨く・図形で学ぶこと
2-8. 図形の授業の実際
第3週 (3月23日15時公開)
3-1. 言語領域の課題
3-2. 言語領域の授業の実際
3-3. 生活領域の課題と実際
3-4. 幼児期の教育方法はどうあるべきか
3-5. 3段階学習法での実践
3-6. 子どもの取り組み (A) 斜めの線は難しい
3-7. 子どもの取り組み (B) 円錐づくり
3-8. 子どもの取り組み (C) 四方からの観察
第4週 (3月30日15時公開)
4-1. 感覚教育・集中現象 モンテッソーリから学ぶ
4-2. らせん型教育カリキュラム ブルーナーから学ぶ
4-3. 最近接領域をどう生かすか ヴィゴツキーから学ぶ
4-4. 可逆的な思考を育てる ピアジェから学ぶ
4-5. 原教科とは 遠山啓氏から学ぶ
4-6. オリジナル教具・教材を通して広がる輪
4-7. KUNOメソッドによる海外教育支援
4-8. 幼児教育に新しい風を

第1週は、KUNOメソッドの教育理念を説明し、6つの学習領域を紹介します。第2週は、6つの領域をより具体的に説明し、それぞれの典型的な授業の実際を映像を使って説明します。第3週は、教育方法として採用している「3段階学習法」を具体的に説明し、実際の子どもの取り組みを紹介します。また第4週は、私がカリキュラムや教材を作るにあたって学んだ先人たちの発達理論を現場でどのように受け止めたかを、授業内容に絡めてお伝えします。また、現在の教育活動の内容と、これからの方向性についても私の考えを述べています。

私は、学者・研究者ではありませんから、その道の専門家のように、たくさんの本を読んで「教育論」を展開することはできません。幼児のいる現場で考え出した新しい幼児期の教育法を、これからの教育改革に向けた議論の素材にしていただければという想いで、講座内容を考えました。本来ならば企業秘密にしておくべきオリジナル「メソッド」をあえて公開に踏み切ったのは、次のような想いがあるからです。

教育の世界では、決して「官」は「民」の実践に耳を傾けようとしてきませんでした。しかし、民間の教育機関でも、きちんとした理念に基づいて教育実践が行われているということを、ぜひ知っていただきたいと思います。こぐま会は民間の教育機関ですから、「受験」にも真正面に取り組んでいます。しかし、受験だからと言って、合格さえすれば何でもありの教育をやってきたつもりはありません。受験があろうとなかろうと、幼児期の基礎教育の中身と方法は変わりません。私が40年間も「間違った受験対策は子どもの成長を阻害する」と叫び続けてきた結果、受験そのものも変わってきました。知能テストのような機械的トレーニングでできてしまう問題が出されていたかつての時代から、私が授業を通して作成してきた「ひとりでとっくん」100冊の中で示した問題が、小学校受験の教科書的役割をはたしている現状への変化を見れば、明らかです。「受験のための特別な教育」という間違ったイメージの色眼鏡をかけないで、この30回の講座をぜひご覧ください。考える力を育てる教育がどうあるべきか、受講者の皆さまとご一緒に考えていきたいと思います。そして、このメソッドの公開が、日本の幼児教育を変革する議論のきっかけになれば、私にとってこの上もない喜びです。


PAGE TOP