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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

年中4月からの受験対策

第51号 2006/03/23(Thu)
こぐま会代表  久野 泰可

 小学校に通うお兄さん・お姉さんを送り出し、4月から年長になる子どもたちには「自分たちが一番上」という自覚が芽生え、いろんな面で張り切っています。現在年少の子どもたちもひとつ学年上がって、活動範囲も広がり、きっと楽しい園生活が始まるでしょう。小学校受験を目指す新年長さんたちにとっては、試験まであと半年しかありません。11月から始まった年長クラスの授業も、基礎段階の最後のステップを5月半ばまでに終え、いよいよ過去問のトレーニングに入ります。これからは、時間が足りず、精神的にもゆとりをなくし、学習をめぐる母子関係も相当緊迫してきます。

 ところで、新学期を前に、最近は来年秋に受験する新年中児の方の教育相談が増えています。学校選択や学習方法についての相談がほとんどですが、中には誰にお願いすれば一番有利かというような、合否判定に関する相談もあります。年中の4月ごろから、受験に向けて準備をされるのが、時間的なゆとりもあっていいと思いますが、あまり深刻になり過ぎて、子どもに過度の負担をかけてしまうような準備だけは避けなくてはなりません。

 年中の4月から受験準備をはじめるといっても実質1年半ぐらいしかありませんが、このくらいゆとりを持って準備されるのが好ましいと思います。では親は何をすべきか。子どもの学習体制を作ると同じように、親がすべきことをきちんとしておかないと、方針が定まらず、噂話で足元をすくわれてしまう結果になりかねません。ではどうするか。

  1. 正確な入試情報を手に入れ、受験する学校の情報をしっかり把握しておくこと
  2. 今年行われる学校説明会に出席して、受験を考えている学校の方針をよく調べておくこと
  3. 受験する学校の問題分析を踏まえ、1年半の学習計画をきちんと立てておくこと
  4. 学習内容の系統性・学習の順序性についてしっかり把握し、ペーパーに偏った学習を避け、考える力を育てる事物教育を徹底すること
  5. 家庭でできることは家庭で行い、何もかも他人まかせの「教育の外注化」をしないこと

 学習を始めるにあたり、まず子どもの学力がどこまで到達しているのかをしっかり把握しておかなくてはなりません。その子どもの発達の現状に合わせて、一番良いプログラムを考えることが必要ですが、意外と子どもの現状を知らないまま、親の期待が先行した形で、準備教育が始まるケースが多いのです。スタートの時点で、子どもがどんな学校に適するのかの判断も、そうした客観的なデータを踏まえて行うべきです。4月23日(日)に行う女子校フェアでも、年中児を対象とした「発達診断テスト」を予定していますので、ぜひこうしたテストを活用し、お子さんの学力の現状と志望校への適性をしっかり把握してください。

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