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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

入試直前最終セミナー

第457号 2014/10/24(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 神奈川県の学校では、すでに合格発表が終わった学校もあり一段落しましたが、いよいよ1週間後には都内の入試が始まります。ここ数日急に寒くなり、体調を崩したまま入試を迎えた子もありましたが、これから1週間は何よりも健康管理が第一です。身体の健康のみならず、心の健康管理にも十分な配慮をしてください。熱があって薬で抑えても、いつもの笑顔が消え、集中力が欠けて子どもらしい明るく元気な対応ができません。横浜の学校の結果を見ても、必ずしも学力だけで合否が決まっているわけではなく、やはり言い古された言葉ですが、「最後の決め手は行動観察」という印象を強く持ちます。

C : 「先生、私の行った学校はペーパーが14枚も出たんだよ。」
T : 「そう大変だったね。難しかったの?」
C : 「易しかったよ。」

また、
C : 「私ね、喧嘩しちゃったの。」
T : 「えっ、喧嘩しちゃったの?」
C : 「でもね、よい喧嘩が3つ。悪い喧嘩が1つだった。」

授業の合間の休み時間に、こんなことを報告に来る子が毎年大勢います。きっと自分の経験したことをだれよりも早く教師に報告したかったのでしょう。そんな子どもとの何気ない会話から、入試の実態がつかめることがよくあるのです。

新設校の場合、最初の年は様子がつかめないため、どうしてもペーパーが多くなりがちです。関西の学校では、初年度は40枚近いペーパーが課せられたと聞きます。都内の学校でも、30~40枚ペーパーを出していた時期も確かにありました。しかし今は、平均6~8枚、多くても10枚前後だと思います。ペーパーを課さなくても、学力は判定できると自信を持っている学校もあるくらいですから・・・また、「喧嘩しちゃった」と報告に来た子は、多分喧嘩の仲裁に入ったけれど、1回だけ強く言い過ぎてしまったという意味だろうと思います。

こぐま会では、これまで首都圏の主な学校の入試について受験生やご両親に協力していただき、入試問題の聞き取り調査を行ってきました。そこで集めた大量の情報をつき合わせながら、入試の実態を明らかにしてきました。こんな地道な作業をすでに30年以上も続けています。それを積み重ねて情報誌としてまとめ、以後受験する皆さまに「正確な情報」を公開してきたのです。昔とはだいぶ様子が変わってきたとはいえ、それでもまだまだ学校からの情報は未公開であり、根拠のない噂話で受験生の皆さまが右往左往する結果になっています。それが「間違いだらけの受験対策」になってしまう元凶なのです。しかも、その噂話が業者側から意図的に流されることもあるというほど、この業界は成熟していません。隠しておくべき情報をあえて公開しているのは、そうした間違った状況を糺さなければならないと考えているからです。今年も、職員総動員で入試の実態を明らかにすべく、すでに情報収集活動が始まっています。
ところで昨日(10月23日)は、今年の受験生に向けた最後のセミナーを行いました。

入試直前セミナー 「合格にむけた直前対策・国立情報・その後の学習」
1. 最近の傾向を踏まえて、もう一度確認すべきこと
2. 国立受験のための基本情報と、最低準備しておくこと
3. 入試終了後の学習(これまでの学習をどう生かすか)
4. 入試当日の迎え方
5. 合格発表後に起こる問題

先週のコラムでもお伝えした最後の学習ポイントを、少し詳しくお伝えしました。私の聞く限り、今年度の神奈川県の入試でもほとんどの問題がこの課題の中から出されているようですので、ぜひもう一度参考にしてください。セミナーではその後、国立向け「こぐまなでしこ会」の責任者から、国立を受験する皆さまに、私立向けの学習とどう違うのか、それとも同じなのか等を報告してもらいました。次に、入試終了後から始まる「就学準備クラス」の概要を簡単にお伝えし、最後に進路指導部長より、入試当日の注意事項と、合格発表後に起こるさまざまな問題についての対処法をお伝えしました。

年長秋の受験に向けて、家族一丸となって乗り越えてきたこの1年間のがんばりが、ぜひ実を結ぶことを祈りつつ、われわれからの最後のメッセージをお伝えしました。

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