ページ内を移動するためのリンクです
MENU
ここから本文です
週刊こぐま通信
「室長のコラム」

土曜ゼミ(父親ゼミ)最終回を終えて

第451号 2014/9/12(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 9月6日(土)18時半から、今年度最後の「土曜ゼミ」を行いました。今回は50名ほどのお父さま方にお集まりいただき、入試本番へのカウントダウンが始まったこの時期の「家庭学習法」や、「願書・面接対策」についてお伝えしました。年5回のこの土曜ゼミを毎回受講された方も、また一方で、今回初めて参加されたお父さまもいらっしゃいました。入試間近ということもあって、初めての方も大勢みえました。

第1部の「父親勉強会」では、夏に行った「新傾向の問題講座」でみられた子どもの理解の現状を伝え、まだ解決していない課題を克服するために、これから何をどう学習したらよいのかをお伝えしました。また、入試1カ月前から始める「最後の総点検」の方法を、用意した教材を使って具体的にご説明しました。その後、今の時期、最大の関心事である「願書対策」・「面接対策」について、進路指導部長からこれまでの模擬面接の様子を踏まえて、大事な点をアドバイスいたしました。皆さん、熱心にメモを取りながら聞いていただきました。

第2部の「懇親会」は20時過ぎから始めました。軽食を取りながら5~6名ずつテーブルを囲み、情報交換したり、それぞれのご家庭で今問題になっていることを話し合ったりされていたようです。特に、学校選択についての意見交換が多かったようです。また、今年4月に私立小学校に入学されたOBの方に登壇していただき、学校の様子や昨年の今頃の心境、またどのようにして残り2カ月を乗り切ったか等のお話をしていただきました。私たちが話すより、OBの方のお話の方が身近で具体的であり、相当心に響いたようでした。その間、担任に個別に相談されるお父さま方もみられ、あっという間に時間が過ぎてしまいました。最後に、参加者お一人お一人に、現在の心境や入試に向かう決意表明をしていただきました。これだけでも1時間近くかかりました。

お父さま方のお話を聞いていると、本当に各ご家庭それぞれにご苦労があり、それを家族全員で乗り越えていこうとする努力が手に取るようにわかりました。最初は受験に反対であったお父さまが、教育の中味を子どもを通して知っていく中で考え方が変わり、合否に関係なく、この幼児期にすべき教育として、きっと将来役立つはずだと受け止めていただいていること。また、多くのお父さまが述べていた「受験を経験して家族の絆が深まった」こと、「もし、受験がなかったら、子どもの将来について、こんなに向き合って話し合わなかっただろう・・・」というようなことをお聞きすると、正しい小学校受験は、子どもの基礎教育として意味があるだけでなく、家庭の絆を深めていくきっかけになっていくことを改めて感じました。

私自身も受験の現場に42年間も身を置き、毎年毎年、合格に向けた指導を行ってきました。しかし、決して「特別な詰め込み教育」を行ってきたわけではありません。幼児期に必要な基礎教育を徹底し、「事物教育」と「対話教育」を実践してきました。その意味で、まともな内容と方法で受験は乗り切ることができると確信しています。そればかりか、私たちの教育実践が、受験に関係ないところで「先進的な幼児教育」として注目され始め、私の授業を見学される教育関係者が増えています。「受験」という色眼鏡をかけて見られてきた「KUNOメソッド」が正当に評価され、これからの日本の幼児教育改革の先頭に立っていくことができれば、我々職員にとっても大変光栄なことだと思っています。私の教育活動においても、やっとゴールが見えてきたようにも思います。

PAGE TOP