週刊こぐま通信
「室長のコラム」11月2日が日曜日になった今年の併願校の変化
第440号 2014/6/20(Fri)
こぐま会代表 久野 泰可
こぐま会代表 久野 泰可

第7回目の合格カレンダー連続講座を6月19日に行いました。今回のテーマは「第1志望校と併願校をどう組み合わせ学習するか」でした。70名以上のお申し込みがあり、満席でお断りしなくてはならない状況でした。受験生の皆さまの関心の高さを示しています。今回は、次のような内容のお話をさせていただきました。
- 合格カレンダー連続講座 第7回
- 「第1志望校と併願校をどう組み合わせ学習するか」
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1. 学校選びの基本(A) それぞれの時代における小学校受験の位置付け
(B) 志願者減少の背景と学校側の対策2. 2014年度に見る併願の具体例(A) 2015年度入試日程
(B) 併願可能な大きな枠組み
(C) 2014年度入試に見る併願例
(D) 11月1日に複数校受験する場合の組み合わせ3. 併願する場合の問題点(A) なぜ同じ学校の組み合わせで、併願できる人とできない人が生じるのか
(B) 面接試験の日程も重要
(C) 併願で辞退されるのを防ぐ学校側の対策4. 併願対策はいつから始めるべきか(A) 併願で問題なのは学習対策
(B) 学校の組合わせによっては第2志望校中心の勉強をせざるを得ない場合もある
連休明けから始まった学校説明会に、多くの受験生が足を運んでいます。この説明会は夏休み前まで続きますが、9月に入っても2回目の説明会を行う学校もあります。
今年の入試日程は、一部の学校を除きすでに発表されましたが、今年は11月2日が日曜日になるために、女子校の入試日程に若干の変化が見られます。東洋英和女学院小学部が11月3日にずれ、立教女学院小学校が11月3・4日になりました。両校とも最近入試日程を変えたばかりですが、宗教上の理由から日曜日の2日は試験を避け、変更したようです。東洋英和は過去にも、11月1日が日曜日の時は2日にずらしましたが、従来から行っていた試験を11月2日にずらした後の日曜日ですので、ひょっとしたら今年は11月1日に戻るのでは・・・という予測もありましたが、結局1日に戻さず、3日にずらしました。また、昔から11月4日ごろから試験を行っていた立教女学院が、11月1日・2日に試験日を変更し、2年間変えずに実施していました。今回2日が日曜日になるため、11月1日と3日に行うのではないかという憶測もありましたが、結局3日・4日になりました。女子校の中では、この2校の試験日が変更になったことと、田園調布雙葉小学校の試験日が1日に短縮されたことで、従来の併願パターンが若干変わることが予想されます。
ところで、都内在住で女子校をめざす方々の併願パターンは、従来から大きな枠組みで以下のようになっていました。
(ア) 10月20日前後の第3火曜日から始まる神奈川県の女子校
(イ) 11月1日に行われる都内の女子校
(ウ) 11月2~5日あたりに行われる女子校
(エ) 11月1日に2校受験できるケース
それに付け加え、学習院初等科・成蹊小学校・慶應義塾幼稚舎・慶應義塾横浜初等部等の共学校を組み合わせて受験するケースが、毎年見られます。そうすると女子の場合、4~5校併願できるということになります。
こうした状況を踏まえると、今年の併願校の組み合わせが昨年度と違う点は、次のようになると思います。
- 立教女学院を第1志望にする場合、1日校が受験可能になる
- 東洋英和が3日にずれた関係で、2日の東京女学館(一般)の受験希望者が増える可能性がある
- 1日校を第1志望とする場合、2日の東京女学館(一般)、3日から始まる東洋英和か立教女学院のいずれかが受験可能になる
- 昨年可能であった、立教女学院と東洋英和の併願が難しくなった
受験生の減少を受けて、各学校とも生徒集めに相当力を入れています。今まで、学校の説明会や私学フェアぐらいであった学校側からのメッセージの伝達が、ここ2~3年の間に大きく変化しました。沿線の学校が集まり共同で説明会を開いたり、宗教教育を実施する学校が集まりそれぞれの学校の良さを伝えたり、オープンスクールで学校の授業を公開したり・・・どちらかというと今まで閉鎖的だった学校が、外に向かって扉を開き始めた感じがします。また、今年行われた学校説明会でも、入試問題の紹介や意図を伝え、入試に関する情報も積極的に公開する学校が出始めました。私が長い間訴えてきた「入試情報の開示」が少しずつ行われてきており、大変好ましいことだと思っています。学校側からの情報がないことから起こる噂話の流布。それが間違った受験対策が横行する最大の原因でした。この部分が改善され、まともな教育活動が行われれば、小学校受験は系統的な幼児教育の最大の動機づけになると思います。