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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

年中から始める小学校受験対策

第434号 2014/5/9(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 女子校合格フェアの一環として5月4日に、来年以降受験する保護者の皆さまにお集まりいただき、どのような考え方で受験対策を進めたら良いか、これまでの経験を踏まえお伝えしました。話の内容は以下の通りです。

第10回 こぐま会女子校合格フェア こぐま会代表セミナー
「年中から始める小学校受験対策」
1. 入試の現状と課題
- 今、何が問題になっているのか -
2. どんな能力が求められているか
- 入試問題の変遷と、現在の入試の傾向 -
3. 間違った受験対策にならないように
- まともな幼児教育をこそ、学校側は求めている -
a. 間違った受験対策はなぜ起こるのか
b. 学校は訓練された子どもは求めていない
c. まともな幼児教育こそ、合格への近道
d. 事物教育と螺旋型系統学習の実践

多くの方々との教育相談や入会相談を通して感じていることは、小学校入試に関し、あまりにも誤った認識を持っている方が多いということです。それは裏返せば、小学校入試に関する正確な情報が伝わっていないということの表れだということです。では、誤った認識とはどのようなものなのでしょうか。
  1. 小学校受験をするには、「特別な教育」が必要だ
  2. その特別な教育とは、毎日大量のペーパートレーニングを積むことである
  3. その一つの例として、ひとりでとっくん100冊を、年長になる前に2~3回やりこなすことである
  4. 何もわからない幼児だから、徹底して解き方を教え込めば良い
  5. 学力があればどこでも合格できるはずだから、模擬テストで常に上位をとるように徹底したペーパートレーニングをする
  6. 合格さえすれば、どんなやり方も許される。だから教育方法は問わないし、訓練だから厳しい教師が望ましい
  7. 行動観察はお行儀のチェックだから、徹底して「型」を教え込む。姿勢が悪ければ足を縛ってでも徹底させる
  8. 絵の描き方、廃品制作物の作り方、口頭試問の答え方等、全て教え込めば良い
挙げたら切りがありませんが、こうした間違った考え方による受験指導の最大の犠牲者は子どもたちです。それだけではありません。莫大な時間とお金を費やし、受験が終わったら意味のない「特別な教育」ほど無駄なものはありません。事実、ペーパーのみの幼稚園受験対策で傷ついた大勢の子どもたちが、救いを求めて「事物教育」を実践する私たちのところに入会相談にきています。ペーパー主義の間違った受験対策は、人格形成上も好ましくありません。年齢が低ければ低いほど、発達段階を無視した教え込みの教育は、子どもの成長に悪影響を与えます。そうしたことを、再び繰り返さないためにも、まともな幼児教育で小学校を目指してください。教育内容よりも、売り上げ至上主義に傾く受験産業は、年齢が下がれば下がるほど、多くの子どもたちの成長に悪影響を与えていることを知るべきです。

私が、今回のセミナーでお伝えしたかったことは、ともかく正確な情報を持つこと。そのために、受験指導に携わる私たちはできる限り情報を公開すべきだと考え、民間の教育機関として秘密にしておくべき情報もあえて公開し、今日まで受験にかかわる仕事を行ってきました。そうした私たちの姿勢を多くの保護者の方々に支持していただき、「まともな幼児教育」で、受験を突破できるという実績を作り上げてきました。

これから受験準備を始めようとお考えの皆さん。どうか受験の実態を自らの目で確かめ、合格と引き換えに、子どもの成長にとって大事なものを失うことがないように、正しい受験対策をはじめていただきたいと思います。

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