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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

1年間の学習成果を

2005/10/13(Thu)
こぐま会代表  久野 泰可

 昨年11月、ゆりクラス(年中児)から引き継いだ時、本当に1年間で入試レベルの学力に仕上がるのかどうか心配した子どもたち・・・今、目前の入試を控え、毎日10枚、テープの指示に従って最後のまとめのトレーニングを行っています。おしゃべりが止まらず、いつも注意を受けていたAちゃん。その当時からは想像も出来ないくらい姿勢を正し、テープの指示に従ってペーパーに取り組んでいます。いつも、結果を気にして不安そうにしていたBちゃんは、今は自分の答えに自信を持って、まわりを見ることもなく問題を解いています。半年間ほど、入室時に泣いていたCちゃんは、今は自分の考えをみんなの前で発表できるほど成長し、積極的に物事に取り組んでいます。指を使わないと、数の問題に自信が持てなかったDちゃんは、夏休みのがんばりで、今はもう暗算に自信を持って取り組んでいます。

 1年間の子どもたちの成長には、本当に驚くばかりです。だからこそ、幼児期の教育が大きな意味を持ってくるのだと思います。33年間、毎年入試を迎えるたびに、子どもたちの成長に指導者として喜びながら、合否という判定を受けざるを得ない辛さも味わってきました。小学校入試のための準備教育という特殊な環境にありながら、幼児期の基礎教育のあり方を実践を通して追究してきた私にとって、1年間の子どもたちの成長からどれだけ多くのことを学んできたのか、計り知れないものがあります。そこで得た私なりの確信が、「こぐまオリジナル教材」となって具体化し、今、日本の多くの幼児たちに使ってもらっています。私たちが設立当初からめざしてきた「論理的思考力の育成」が、いまや幼児のみならず、学力低下が懸念される、小学生や中学生の課題になっていることを思うと、私たちが歩んできた道は間違っていなかったし、そこで得たものは、現在の幼児教育のあり方を改革する際に、内容面で役立てることが出来るのではないかと、ひそかに期待しています。

 この1年間のそれぞれの子どもの頑張りが、いま実を結ぼうとしています。入試は、子どもたちのこれまで学習成果を試す絶好の機会であります。ただ一方で、年長の11月、1回限りの試験で白黒がはっきりしてしまうことへのやりきれなさも、毎年痛感しています。
 学校選択やその結果をどう受け止めるのか、さまざまな視点がありますが、ともかく悔いが残らない選択をしていただきたいと思います。この1年間のがんばりは、入試の結果だけでなく、子どもたちのこれからの学習の基礎作りとして、必ず実り多きものになると確信しています。

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