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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

家族で取り組む合格プログラム

第238号 2010/3/26(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 正しい方法で小学校受験の対策を取っていただくために、今年から「合格カレンダー」をキャッチフレーズに、子どもの理解の道筋に合った学習を推進してきました。11月からスタートしたばらクラス(年長児)は、春休み前にステップ3の学習を終了し、4月いっぱいで基礎段階の学習を終えることになります。5月からの残された半年間は、応用段階の学習と夏休みを中心とした難問トレーニングを経て、予想問題対策をとり、本試験に臨めるよう学習計画を立てています。情報が開示されず教科書もない特殊な入試であることから、本試験までにどのような学習をどういう方法で行えばいいのかがわからず、結局、難しい過去問をペーパーでトレーニングすることが入試対策だと思いこまされている方が多いように見受けられます。その結果、解き方を教え込まれた難しいペーパーはできても、基本的な思考力が身につかないまま入試に突入し、新しい傾向の問題にまったく手がつけられず、結果として合格をいただけないケースが目立っています。間違った受験対策は合格を勝ち取れないだけでなく、柔軟な思考ができる子どもたちの伸びる芽を摘み取ってしまい、勉強嫌いな子どもを作る結果になってしまいます。学校生活のスタートの段階で勉強嫌いな子を作るような結果になってしまうのなら、何のための受験、何のための幼児教育だったのでしょうか。

受験は決して頭からたたきこんで教え込む教育が必要なのではありません。まともな子育て、まともな幼児教育の結果として「合格」があるのです。子育ての総決算としての入試を・・・と言われるのはそのためです。受験が終わったらすべて終わりではなく、受験に向けて学習してきた経験が、次のステップに活かされていくような取り組みをしなければいけません。ですから、それは子ども一人の課題ではなく、家族全員で取り組む課題なのです。現在の首都圏の入試は、よく練られた問題と、集団活動における子どもの様子を観察する行動観察と、面談での評価が総合されて合否判定がなされます。決して子どもの学力を高めておくことだけが入試対策ではないのです。ですから「家族で取り組む合格プログラム」がどうしても必要です。行動観察で評価されているのは、子ども自身の問題というより、子どもの行動を通して見えてくる子どもを取り巻く環境や、子育ての考え方・家庭教育の方針等が評価の対象になっているのです。面接本を片手にどんなに繰り返し答え方を練習しても、日々子育てにかかわり、一緒に悩み、考え、良い解決法を導き出す・・・といった経験に裏付けられた解答でなければ学校に家庭の考えを訴える力とはなりません。

第6回目を迎える今年の女子校合格フェアは、そうした現在の入試で求められる総合力を身につけるために、家族でどのように取り組んだらよいのかをいろいろな角度から提案し、検証するフェアにしたいと考え、準備しています。基礎段階の学習が終わった子どもたちの学力の現状をチェックし、残り半年間の効果的な学習対策をどのように取ればよいのかなどをテーマに、現場教師からの報告や受験を終えたOBからの貴重なアドバイスを聞く会など、たくさんのプログラムを用意しています。今年受験される皆さんだけでなく、来年以降受験される皆さんも大勢ご参加ください。そして、入試の実態や正しい受験法をぜひお聞きください。

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