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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

合格者からのアドバイスに学ぶ(1)

第137号 2008/02/01(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 昨年秋に受験された方々から、たくさんのアンケートを送っていただき、担当者はその整理に忙しい毎日を送っています。こぐま会では20年以上にわたり、実際に試験を受けた方を対象に、今後受験される方のために、こちらで用意したたくさんの項目について、アンケートをお願いしています。入試の実態が学校側から公表されていない以上、受験を経験された方々の報告や意見に基づいて、明らかにするしか方法はありません。正確な入試情報は、子どもからの直接の聞き取りと、こうした保護者へのアンケートによって作られているのです。アンケートの項目は17にもわたり、卒業生の皆さんには細かい点まで答えていただいており、私たちにとっては宝物のような貴重な資料です。こうした先輩から後輩に入試情報を受け継ぐ伝統がこぐま会にはできていて、はじめて受験される方にはとても参考になるようです。

20年以上にわたって集めた資料は、会員の方々が「こぐまクラブ」でいつでも閲覧できるようにファイリングされています。子どもたちが授業を受けている間、保護者の方々は、「こぐまクラブ」で学校ごとにファイリングされた資料を見て、いろいろな情報を集めています。経験者からのアドバイスは、きわめて具体的であり、入試に関する情報誌をたくさん読むより、学ぶべきことがたくさんあるように思います。会員の皆さんには資料集として項目ごとに整理し、後日お渡しする予定ですが、今後受験される皆さんにとって一番関心のある、「家庭での過ごし方」や「家庭学習の進め方」について、参考になる意見をこれから数回にわたり、このコラムでも紹介していこうと思います。今回は、女子最難関校に合格された方のアドバイスをご紹介します。

家庭学習で気をつけた点や困った点は何ですか?

毎週の基本クラスの授業を大切にしてしっかり復習する事です。「ステップ6」まではこぐまクラブにある基本クラスの授業風景を記録したDVDを見て基本クラスの授業内容を予め把握しておくと、授業説明の際の先生の説明がとても良くわかります。基本クラスの授業は予習させることは、決してしませんでした。担任の先生の教え方を基本にして、その上で子どもがなかなか理解できない点については、DVDを参考に復習しました。子どもは同じことでも、言い方や言い回しを変えるだけで理解できることがあります。DVDを見ることで先生の言い回しや言葉がけを参考にすることができて家庭学習に役立ちました。

家庭学習は、毎日必ず行うことです。入会から夏休み前までは、毎月配布される「こぐまのおけいこ」とステップごとの問題集と模擬テストを中心に行い、指定校クラスの進行とともに、その学校の傾向に合わせた「ひとりでとっくん」を進めました。8月から10月までは「まいにちトレーニング」を行いましたが、その日の分は必ずその日にする、ということを徹底しました。まいにちトレーニングの一日4枚は、各分野の学習が、かたよりなくできるので弱点発見にも大いに役に立ちました。家庭学習でも「具体物を使って」事物に働きかけて理解させることを大切にしました。
・・・後略・・・

このアンケートの内容を会員外の方にもよく理解してもらうために、少し説明をしなくてはならない点があります。
  • 基本クラスの授業というのは毎週1回行う授業で、それとは別に学校別の指定校クラスがあります
  • 授業風景を記録したDVDとは、私が行った年間42週の授業をすべて記録したもので、これはこぐまクラブに保管されていて、いつでも見ることができます
  • 「こぐまのおけいこ」とは、毎月1冊ずつ授業進度に合わせて配布する家庭用復習教材です
  • 毎日トレーニングというのは、入試直前3か月の8月・9月・10月については、毎日4枚ずつ行うように日付をつけた会員用問題集です

さて、この方の学習法でぜひ学んでいただきたいのは、日常授業に合わせて、家庭学習を徹底した点です。「復習中心に行ってください。あせらず、すぐに過去問をやるようなことはしないでください」と言った私たちの方針を忠実に実行されたことです。前回のコラムでも書きましたように、教室授業と家庭学習とが連動しなかったら、幼児教室に通う価値は半減してしまいます。教室での学習をより深く理解させるために復習中心の家庭学習がどうしても必要です。「予習させることは、決してしませんでした」とあるように、学習してきたことをきちんと理解させることに徹底したことがよかったと思います。子どもには予習はさせないけれど、お母さまは、DVDを見て予習するという、この徹底ぶりを見習ってください。毎日をおけいこで埋め尽くしたり、幼児教室にいくつも通うのではなく、信頼できる先生のもとで徹底して学習することが、大事です。受験においては何事も中途半端にするのではなく、徹底的に行うことでしか、合格は勝ち取れません。

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