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週刊こぐま通信
「Primary English コラム」

使える英語への近道、実践活動

第1号 2005/04/21(Thu)
Primary English 代表 廣瀬亜利子
 児童に英語を教えるにあたって、私が特に力を注いでいることがあります。それは実践活動です。特に、知識としての英語ではなく、「使える英語」を目指す以上、これは絶対的に不可欠なものです。世の中の多くの英語教室で行っているように、卓上で絵カードを見せて、ただ単語の発声練習をしているだけでは、英語が話せるようには決してなりません。英語が使えるというのは、フレーズをただ暗記しているのではなく、自分で文を組み立てて自ら表現できることです。そうなるためには、実際に使ってみる経験をたくさん積むことしか方法はないのです。従って私のクラスでは、料理、工作、場面設定、算数など、その日のテーマに合わせて、毎回必ず実践活動を行います。

 料理、工作では、その中に出てくる道具、材料に実際に触れ、作業を進めていく中で、ことばや言い回しを学習することができます。

 場面設定は、カフェ、各種お店、飛行機の中、電話、路上など、その日の授業の内容によって場面は変わりますが、いずれもその場面に実際に身を置いて、言い回しを使って会話してみるということが目的なので、なるべく本物に近いセット作りをし、小道具も基本的には本物、あるいは本物に近く見えるものを用意します。子どもたちが外国に行ったとき、クラスで「体験」したことが少しでも活かされればという思いからです。ある場面を1度経験しただけでは決して十分ではないので、ひとつの言い回しのために、3回ぐらい違う場面で「体験」してもらいます。

 「算数」、これについては、予想以上の効果があり、はじめて行ったときは正直ちょっと驚きました。

 もともと英語で数を言うことは、子どもたちにとって、一見簡単なようで案外むずかしいものです。 ほとんどの子どもが、1から順番に数えることができるのに、ばらばらになると、サッと出てこなくなります。トランプ、ウノ、ビンゴなどいろいろ試してきて、それぞれに効果はありました。しかし、計算を英語で行うことが、何といっても抜群に効果があったのです。3+2=5、5+1=6、6+4=10、10+7=17、17+8=25、・・・と一人ずつ順番に、前の答えに好きな数を次々に足して行き、答えが100まできたら今度は引いていく、それを式から答えまで英語で言うというやり方です。次に何の数が出てくるか予想がつかないので、2桁、3桁の数を習得するのにとてもよい練習になります。そして、何よりも、「英語で計算しましょう」というと、子どもたちがとても乗ってくるので、それだけ効果も大きいです。また、たまに簡単な文章題も英語で行います。ヒアリングと言葉の理解の両方の力をつけることができるからです。

 このように、実践活動といっても本当に多岐に亘っています。この中から毎回その日のテーマに合わせた活動を一つ選んで行いますが、1時間のクラスの約半分をこれに当てます。それ程私は実践活動を重要視しています。これを一つ一つ積み重ねていくことこそが、「使える英語」への一番の近道だと思うからです。

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