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週刊こぐま通信
「手先の巧緻性クラス コラム」

楽しく練習するために

第1号 2008/03/21(Fri)
こぐま会教務部
手先の巧緻性クラス担当 木内 比呂美
 1月から年長児対象の「手先の巧緻性」クラスが始まりました。

手先の細かい作業がもともと好きなお子さまにとっては、大変楽しい50分だと思いますが、苦手なことを克服させたいと願うお母さまに連れてこられるお子さまにとっても、楽しいと感じてもらえるよう、毎回授業内容に工夫をこらし、その子その子の性格や力に合ったサポートをしていければと考えています。

「ぬる」 「つまむ」 「きる」 「とおす」 「つなぐ」 「おる」 「むすぶ」 「はる」 「ふではこび」

などのシンプルな動詞をテーマに9回の授業を行ってまいりました。
こつを教え・繰り返し練習する中で、それぞれのお子さまの「つまずいているポイント」を見つけ出し、ゆっくりもう一度提示して、再度チャレンジしてもらいます。

「きれいに塗りなさい!」「きちんと結びなさい!」という言葉を言うまえに「きれいに」「きちんと」行う方法を丁寧に教えてあげることが大切だと感じています。
もちろん、こつを知ったことですぐに魔法のようにうまくなることもありますが、魔法がとけないためには楽しく繰り返し練習するしかありません。嫌いなものを練習するのは苦痛ですよね。そのためにも『楽しい』と感じるような授業になることを1番のねらいとしています。

第2回 「つまむ」より
 さいばしを使ってザルから水をはった鍋に野菜を移し、今度はトングを使ってお皿に野菜を取り出します。
見たことはあるけれど、お母さまの道具というイメージがあるのでしょうか、実際に自分でさいばしやトングを扱えるとあって、どのお子さまも目を輝かせながら慎重な手つきで野菜をつまむことができていました。鍋の中のにんじん・じゃがいもは水の中に沈み、ブロッコリーは浮かぶという発見をするなど、嬉しいおまけもついてきました。 お子さまをお箸上手な子、器用な子にするヒントはおうちのキッチンにもたくさんあるようです。

第7回 「むすぶ」より
 教室中をパーティー会場のように、たくさんのちょう結びで飾りつけてもらいました。
ちょう結びは、どのお子さまにとっても難関です。とにかくたくさんたくさん練習あるのみです。さまざまな素材、長さの違うリボンやひも、テープを用意しました。
「ここにも結んじゃお~」と嬉しそうに、ブラインドやドアノブ、しゃがみ込んで机や椅子の脚に結びつけていました。苦手なちょう結びを楽しみながらがんばっている姿はとても微笑ましいものでした。
ご家族のどなたかのお誕生日に、お部屋を飾りつけてみてはいかがでしょうか?

 私自身、うまいへたはさておき、幼い頃から細かい作業がとても好きだったのをおぼえています。この『好き』という気持ちをもつきっかけをつくってくれたのは母でした。
私の作る作品を見るたびに「本当に器用な子ね」といって誉めてもらえるのは幼心にも誇らしく、自信となっていました。またお誕生会ではキャンディーやグミなどのお菓子を砂時計が落ちるまでに箸でできるだけコップに入れ、取った分だけラッピングをして持って帰れるというゲームなど、生活の要所要所に巧緻性を楽しめる工夫が詰まっていました。
たとえ謙遜であったとしても「うちの子は不器用で」などという言葉を耳にした子どもは自信と意欲を失ってしまうはずです。ぜひ親ばかになっていただきたいと思います。

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