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週刊こぐま通信
「合格者からのアドバイス」

合格者からのアドバイス(30)

2008/10/10(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可
入試を経験されてどんな感想をお持ちですか。これから受験される方のために、何かアドバイスがあればお願いします。

1年を振り返って

 受験を経験して、久野先生が「受験はそれまでの子育ての総決算」とおっしゃった意味がよくわかりました。この1年で、私は、母親としての自信がついた気がしています。決して立派な母親であったわけではなく、むしろ失敗ばかりでしたが、何があっても娘に向き合う自信はつきました。また、「子どもの人生において小学校受験は越えねばならない山のひとつにすぎない」のであるなら、なおさら受験を経験してよかったと心から思います。たとえ合格をいただかなくても子どもの人生はいくらでも取り返しがつきますし、合否以上の大切なもの、母娘の関係、家庭の絆をじっくりと築く良い機会であったと思うからです。
 ばらクラスが始まったころの私は、ゴールすることばかり考えて、目の前にいる娘のことをしっかり見ていなかったと反省しています。毎日の生活にあれこれと目標を作り、何とか「理想的な1年」にしようと意気込んでいました。その一方、なかなか机に向かってくれない娘にあせり、いろいろな人の意見を聞いて右往左往していました。娘はストレスからか、幼稚園でもこぐま会でもメソメソ泣くようになり、久野先生にもご心配をおかけしました。結局先生方のご助言に従い、まずは母娘の関係を建て直そうとゴールデンウィークには毎日違う公園をはしごして遊びました。その後も「楽しいことを優先」と肝に銘じて、少しでも時間をつくって遊ばせるようにしました。夏休み頃からは2人で長く机に向かうことができるようになったので、もう少し娘の成長を信じてドンと構えていればよかったと反省しています。
 確かにこの1年は何も確実なものはなく不安でしたが、今思うことは、各家庭でさまざまな背景や事情があり「これが1番」という方法はない、ということです。子どもと向き合い、ありのままを良しとし、他の人と比べないこと、こぐま会のご指導と情報を信じて、噂やアドバイスに惑わされず、我が家のやり方と子どもの力を信じるということです。

今でも、娘はバスに乗るとき大きな声でご挨拶しています。たくさんのことを吸収して成長していく娘を見ていると母親としての責任を感じます。小学校に入っても、外部発注せずに、娘と向き合っていこうと思っています。

 受験を通して、母と娘が真剣勝負で向きあう姿が浮かんできます。私は、会員の皆さまにことあるたびに、「教育の外注化」をしてはいけないと発言してきました。つまり、ご家庭でできることを、高いお金を払って他人に任せるのはダメだということです。家庭でできることは家庭で行い、家庭では(親子では)できないことを、他人にゆだねるという原則が必要です。これは、何も小学校受験だけに当てはまることではありません。子どものがんばりをサポートするのは、まず何よりも家庭だからです。その意味で、この方は徹底して親子が向き合って困難な時期を乗り越えてきたのだと思います。だからこそ、遊びの意味をしっかりとらえているのでしょう。それぞれのご家庭の事情をふまえた、独自の対策が必要です。「他人と比較しない」・・・あらゆる意味で、小学校受験を目指す方々にとって貴重なアドバイスだと思います。

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