週刊こぐま通信
「学習相談Q&A」【質問13】
2007年3月2日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。 理科的常識問題で、鏡映像の学習をしましたが、まだよくわかっていないようです。受験関連の問題集を見ると、大人でも難しい問題が出されていますが、そのような問題まで理解できないといけないのでしょうか。

その中で、特に鏡の問題がよくわからないというご質問が多いのもうなずけます。鏡に関する問題は、私たち大人でも難しいものがあります。しかも、鏡の問題に関してはこんなことがよくあるのです。毎年、入試間近になると、「いろいろなところの模擬テストを受けるのですが、思うように点が取れなかったので結果を見てください」と、相談に見える方が増えてきます。そのなかで、点が取れない問題の筆頭がこの「鏡映像」なのです。問題をよく見ると、大人でも悩んでしまうほど難しい問題で、幼児に課すのは適当でない問題が多いのです。実際の入試では、決して出されることのない問題を模擬テストに課すのですから、出題する側の見識を疑ってしまいます。それほどまでに、この「鏡映像」に関しては、これでもか・・・というほど難しい問題を作ることができるのです。
鏡映像をこの時期に学習させておく意味は、これから学習する「四方からの観察」において、反対側からの見え方と鏡映像とを混同してはまずい、という判断があるからです。四方からの観察の学習をする前に、鏡映像の基本をしっかり身につけておく必要があるからです。
向き合って立っている人物が、反対側から見ている人にどのように見えるかという問題と、鏡にどのように映るのかという問題との区別がしっかりとつけられるかどうかが大事です。ですから、鏡映像の問題は、鏡に向かっている人物が、鏡の中にどのように映るのか、そして、積み木や図形等を鏡の前に置いた時、鏡にどのように映るのかがわかるかどうかを基本と考え、学習するのが良いと思います。確かに応用問題はあります。しかし、幼児が取り組むものですので、おのずから難易度にも限界がありますから、その点を踏まえた学習をする必要があります。まず、実物を使っていろいろ経験させることが大事です。