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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

数 応用26 置き換え・交換・消去1

2009/9/25(Fri)
  今週から何回かにわたって、今年新発売された幼小一貫論理育成問題集の第1集目「置き換え・交換・消去」の中からそれぞれの考え方について、具体的な問題例を挙げて考えていきたいと思います。
 まずは「置き換え」についてみていきましょう。この問題集では、置き換えを次のような順序で扱いました。

 (1) 形の置き換え
 (2) 形の置き換えと方眼上の位置の対応
 (3) 進み方の置き換え(方向の置き換え)
 (4) 位置の置き換え
 (5) 位置と形の置き換え
 (6) 置き換えを使ったシーソーのつりあい
 
この中で最も難しいのが、(6)の「置き換えを使ったシーソーのつりあい」です。例えば「リンゴ1個とミカン2個がつりあい、ミカン1個とクリ3個がつりあっているとき、リンゴ1個は、クリ何個とつりあいますか」という問題では、リンゴとクリは直接に比べていないので、そのままでは比較することができません。しかし、クリはミカンと比べているので、リンゴをいったんミカンに置き換えて考えるとこの問題を解くことができます。逆に言えば「置き換え」の考え方を使わないとこの問題は解けないのです。
置き換えとは、あるものを別のものに置き換えて、それを仲立ちとしてさまざまな事象を関係づける考え方です。「置き換え」の考え方は身近なところにいろいろあり、子どもたちもたくさんの経験をしているはずです。こうした経験を元にトレーニングしていくことで、「置き換え」の意味をしっかり理解させることが大切なのです。

さて、(1)から(5)までは「置き換え」の意味を理解させる問題です。内容について簡単にお話ししましょう。

(1)の「形の置き換え」は、リンゴを、ミカンを、ブドウをのように5つの果物を形に置き換える約束をして、並んで描いてあるたくさんの果物をできるだけ早く約束の形に描き直す問題です。最近は少なくなりましたが、以前のペーパーテストでよく出題された問題です。

(2)の「形の置き換えと方眼上の位置の対応」は、方眼上に描かれたなどの形を別の方眼上の同じ場所に形を変えて描いていく問題です。(1)の問題に位置の対応が組み合わされた課題です。

(3)は、果物の絵が描かれた方眼上を、リンゴならば↑、ミカンならば↓、ブドウならば→など、方向を指示して移動していく課題です。

(4)は、はひとつ右、はひとつ左、はひとつ下、◇はひとつ上に移動すると約束をしておき、左の方眼上に描かれている形から約束どおり置き換えて、右の方眼に描いていきます。

(5)は、形を別の形に置き換え、さらに位置も変化させる次のような問題です。

左の形を上のお約束どおりに形と場所を変えて、右の部屋に描いてください。

(解答)


これは、形と位置の両方を置き換えなくてはならないため、かなり難しい課題です。例えば左上のですが、約束ではは右に移りになりますから、右の方眼の一番上の左から2番目の部屋にを描きます。そして、◇は上に移りになりますから、左上がになります。このはひし形が移動して変化したなのですが、もとのを移動していないようにも思えてしまいます。しかし、ひとつひとつていねいに行っていけば間違えないはずです。また、そのことによって、法則性を理解してスムーズに置き換えができるようになることを目的にしています。

この幼小一貫論理育成問題集は、最近の小学校入試で出題される難問の背景が何であるかを分析し、そこで求められる論理的思考力を育てるために作成した問題集です。そして、幼児だけでなく、小学校入学後も論理を鍛えていくことができます。「置き換え」の考え方の理解はその第一歩です。

次回は、(6)の「置換えを使ったシーソーのつりあい」に焦点を当てて、「置き換えにおける論理的思考力」を考えていきます。

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