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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

数 基礎24 数の構成 10の構成 その3 10の構成の暗算

2009/1/9(Fri)
 今回は、「10の構成」を暗算で行っていく方法についてお話ししていきたいと思います。
10は幼児にとっては大きな数ですから、5の構成や7の構成のように簡単にはいきません。相当時間をかけて、じっくりとやっていく必要があります。ここでしっかり時間をかけて暗算を確実なものにしていかないと、ついつい便利な指に頼ってしまい、簡単に答えを出そうとしてしまいます。指を使うと数の内面化は望めません。しかし、ただ時間をかければいいというわけではありません。きちんと身につけていくためには、それなりの方法があるのです。

その方法とは、次のそれぞれの段階を踏んで確実に行うことです。

1. おはじきなどを操作して考える
2. 5個ずつ2列に並べた10個のおはじきを見ながら考える
3. 何も使わず頭の中だけで考える

何もせずにはじめから10の構成ができるなどという人はいません。ある程度の年齢になってくるとなんとなくできるようになると思いますが、それは、そこまでに数に関するいろいろな体験の積み上げがあるからです。その体験を意図的に順序正しく行っていけば、数に関して敏感になり、早く正確に暗算ができるようになると思います。
それには、まず 1.の具体的な体験が必要です。ここでの体験の積み重ねが数の基礎になるのです。例えば、

「卵が10個ありました。そこから4個食べました。何個残りましたか。」

などという問題に対して、はじめに10個おはじきを出して、そこから4個取ることを実際に行ってください。このように1段階だけ数が変わるもので結構ですから、10からいろいろな数を取り去り、残りがいくつになるのかをいろいろなパターンで練習してください。
それができるようになったら、今度は反対に残った数を見せて、そこからいくつ取ったのかを考える練習を行ってください。はじめに10個のおはじきを出して見せて、10個あることを確認した後に、子どもに目をつぶらせて何個か隠します。その後、残った数を見てそこから何個取ったかを当てます。上記の問題で言えば、はじめに10個のおはじきを見せながら、「ここに10個のタマゴがあります。このうち何個か食べます。目をつぶっていてください。」と言って4個隠します。その後目を開けさせて「はい、この数だけ残りました。いくつ食べましたか。」と質問をします。ここで、残った6個のおはじきを見て「4個食べたこと」を想像して答えます。この答えを出す段階で指を使う子が多く出てきますから、気を付けてください。
この段階でスムーズに答えが出るようでしたらいいのですが、なかなかそうはいきません。できる場合とできない場合が出てきます。取った数が多くなり、残りの数が少ない場合は難しくなります。
できない場合は指を使わずにおはじきを見ながら考えましょう。これが 2.の場合です。このときおはじきは下のように並べるといいでしょう。


おはじきを5個ずつ2列に並べるのです。なぜこのように並べるのでしょうか。それはこの方が考えやすいからです。例えば3個食べて、何個残るかという場合ではどうでしょう。3個食べたということは7個残ることになりますが、この7個の答えを出すとき、全部が1列に並んでいたらひとつひとつ数えなくてはなりません。ところが2列であれば、上段の3個を取り去ったとしたら、上段の残りは2個で下段の5個はそのままですから、7個ということがすぐにわかります。このように6~9までの数を考える場合、5といくつというように5に半端の数をくっつけて考える方がやりやすいのです。
さらにこれを使って「10の構成」を考えていくといいでしょう。1個隠すと残りが9個、2個隠すと残りが8個、3個隠すと残りが7個・・・というように、上段のおはじきを左から少しずつ隠して、そのときの残りの数から10の構成を考えてください。そしてそれができたら、今度はこの10個のおはじきに触らずにじっと見せながら次のような練習をしてください。

「これから私がこの10個のおはじきのうち何個か取ってしまう数を言いますから、あなたはその数を取ったときに残るおはじきの数を言ってください。でもこの問題を考えるとき、おはじきに触ってはいけません。並んでいるおはじきを見るだけで、取ったつもりになってできるだけ早く答えてください」

と質問して、「3」→「7」、「8」→「2」のように言わせてください。この際大切なことは、おはじきを触らせずに目でおはじきを見て、言われた数を取ったつもりになるように心がけることです。このことを繰り返すことにより、この5個ずつ2列に並んで10個のおはじきのイメージが頭の中で強くなってきます。
できなくなったら戻るところをつくることが大切です。それがないと、1番身近にある指を使ってしまいます。指を使いそうになったらぜひこのおはじきを思い出させてください。そしてそれも思い出せなければ、実際におはじきを出して、それを操作することを行ってください。
これがしっかりできたらいよいよ暗算です。暗算には、こぐまオリジナル教材に「暗算練習機」があります。この使い方も含めて、3.の暗算の段階は次の機会にお話ししましょう。

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