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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

未測量基礎5 大きさの系列化

2008/06/06(Fri)
 今回から、再び「未測量」について扱っていきます。未測量領域の中の大きさの系列化「ひとりでとっくん49 量の系列化」 の中に次のような問題があります。

2番目に大きいを青で、4番目に小さいを緑で塗ってください。 (解答)
右下のを青、左下のを緑で塗る

 「未測量」は数の前提となる量について扱う領域です。こぐま会の授業では、「多い - 少ない」「大きい - 小さい」「長い - 短い」「重い - 軽い」の4つの量について学習していきます。今回は「大きい - 小さい」の課題です。この4つの量の中では、「大きさ」よりも「多さ」の方が、例えばお乳を飲むといったような人間の生存要求に基づいたものですから、最初に学習するべきなのですが、比較するときは同じ容器に入れなくてはならないという難しさがあります。ところが「大きさ」は見た目ですぐに判断できるので、未測量を考えていく上では最も考えやすい問題です。
これは、「~番目に大きい(小さい)もの」を探すという系列化の最も難しい課題です。ものをある順序に沿って並べるという「系列」の考え方は数を認識していく上では大切な意味を持っています。例えば「3」を認識するためには、物が3つ集まった集合数としての側面と「3階」や「前から3番目」、「3番目に大きい」などの順序数の側面の両方をしっかり理解しなくてはなりません。この「大きさの系列化」の学習は、そうした順序数の理解を深めていくことに役立ちます。
この問題では、はじめの「2番目に大きい」を探すためには、大きい方から順番に「これが一番大きい、これが2番目に大きい」と数えていけばよいですし、大きさの違いもはっきりしているので、比較的容易に理解できると思います。しかし、次の「4番目に小さい」を探すことは、小さい方のの大きさの差があまりないため、数え間違えてしまう可能性もあります。一つ一つよく見て、順序正しく正確に数えてください。
もし、この課題が不十分であれば、前段階として大きい順、または小さい順で一列に並んでいるを使って行うといいでしょう。さらにその前段階では、大きさの異なる円盤や人形を順番に並べる実体験を積むといいと思います。こぐま会では、「ひとりでとっくん365日」に準拠した教材として、具体物教材「おけいこカード」を発売しております。これは、カード形式になっており、繰り返し使えます。ペーパーでは1回で終わってしまいますが、こうしたカードを使って繰り返し練習することが必要とされます。

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