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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

その18 数 基礎 数の構成(2)数の構成の学習法

2005/10/27(Thu)
 今週は、先週に引き続き「数の構成」の学習法についてお話いたします。

 「数の構成」を行う場合は、はじめは5の構成から始めるといいでしょう。これは、ミカン5個やお手玉5個などのやや大きめの具体物を使って下さい。ミカンを例に取って考えて見ましょう。5個のミカンを横一列に並べます。次に、子どもに5個あることを確認させます。そして、目をつぶらせて、そのうちの何個かを手や小さいバケツなどを使って隠してしまいます。隠した後に目を開けさせて、残ってミカンの数から隠したミカンの数を当てさせます。例えば4個隠したとすると、1個見えていますからそこから考えて、「4個」と答えます。

 はじめは、ここで見えているミカンの数の「1個」を答えとしていってしまいます。バケツの中に隠れた目に見えないものをイメージして答えるわけですから、これはかなり難しい課題になります。そこで、どうしても頼るものがほしいために、指を使って考えようとします。しかし、ここで指を使ってはいけません。指は5本ありますからこうした5の構成や10の構成のときにとても便利なのです。しかし、便利だからと言って指を使うとそれがくせになってしまいます。また、数を頭の中で考えることを「数の内面化」と言いますが、その妨げになってしまいます。初めのうちは指を使う方が答えは早く出ます。しかし、数がたくさん変化していく数の複合問題などを考えていくときには、いちいち指を使っていたのでは間に合わなくなってしまいます。はじめは苦しくとも、指を使わずに考えていくことを習慣づけて下さい。いつまでも指を使っていると、小学校に入ってたし算やひき算を行っていく際にも、いちいち指を使わなければ出来ない子になってしまいます。指を使うのであれば、その数だけこぐまドーナツおはじきなどを横に置いて、それを見ながら行うこと良いと思います。

 5の構成が十分にできるようになったら、次は7の構成に進んでください。これは、こぐまオリジナル教材の「サイコロ」をお勧めします。普通のサイコロでもよいのですか、この教材は7の構成だけでなく、次の段階としての10の構成もできるように工夫してあります。サイコロは、向かい合う面の数の合計が7になっています。このことを利用して、サイコロを振って、出た目の反対の数を当てるゲームを行います。これは子どももとても喜んでします。立体図形の理解にも通じますから、楽しみながら行って下さい。

7の構成の後は、8や9の構成も大切ですが、最も大切なのは10の構成です。その理由は、前回で述べたとおりです。10の構成は、「こぐまドーナツおはじき」を使って行って下さい。まずおはじきを下の様に5個ずつ2列に並べます。

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 5個ずつ2列に並べる理由は、5以上の数を理解するときには、5といくつと考える方がいいからです。ここで、10個あることを確認して、子どもに目をつぶらせて、そのうちの3個を隠します。(上か、下の段で、横一列に隠して下さい。)目を開けさせ、残った7個から隠した数を考えさせます。このとき隠す数は、少ない数から始めることが大切です。これは残った数を多くて、考えやすくするためです。また、考えづらければ、別に10個のおはじきを置いて、それを見ながら行っても良いと思います。

 この構成がスムーズに出来るようになったら、今度は2列に並んだ10個のおはじきを見ながらおはじきを隠さずに構成を行います。それは、親が隠すべき数を質問して、子どもが残った数を言うのです。つまり、10個のおはじきを見ながら親が「6」と言ったらすぐに子どもに「4」と答えさせるのです。こうすることによって、10のイメージが目に映像化されていくのです。

 こうした具体物を使った練習を十分に行った後「ひとりでとっくん38 数の構成」 を使ってペーパーによるトレーニングをしっかりと行って下さい。

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